2021.10.14

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PEST分析から予測する 2022年春夏 コロナ収束後の消費キーワードとは

PEST分析から予測する 2022年春夏 コロナ収束後の消費キーワードとは

コロナ第五波がようやく落ち着き、気づけば2021年も残すところあと僅かとなりました。緊急事態宣言は全面解除となりましたが冬の第六波への懸念はあり、これまでも予想だにしない事が度々起こってきたことからマクロ環境や生活者価値観の変化は大きく、半期など中長期的な販促・販売計画の立案には難しい状況が続いています。

今年6月に、クオリティの高い販促・販売計画を作る”大前提”として2021年秋冬のPEST分析をご紹介しましたが、PESTの中でも、コロナの影響を大きく受けるS(社会的要因)では生活者意識の変化感把握を行うことの重要性が増しており、クレオでは継続的にオリジナル調査を実施しながら、未来予測を行っています。2022年春夏の消費動向についてもPEST分析を行って予測しておりますので、今回は、その中の一部をご紹介します。

※PEST分析から予測する消費キーワードシリーズ 最新の記事はコチラから!(2022年5月9日更新)

現時点のコロナに関する状況、年末までの政府与件

ワクチン接種も進み、感染者数も大きく減少。9月30日には緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全て解除となりました。宣言解除地域では1か月程度、飲食店の営業時間短縮やイベントの観客制限などを続けるなど、行動制限の緩和を段階的に実施することになっています。一方で、岸田新総理からは「GoTo2.0」とうたう観光施策の進化版を早急に再開していきたいという意向も話され、衆議院解散・総選挙後の11月以降には議論がスピードアップしていくとみられます。(21年10月6日時点)

 

2022年春夏PEST分析

それでは、先のような直近動向をふまえ「2022年春夏の消費動向」について、PEST分析により環境与件を整理し、注目するべき消費キーワードを予測してみましょう。

P(Politics:政治的要因)

希望者のワクチン接種について政府は11月完了を目標にしており、また最近では12月より3回目接種がスタートするなどの報道もありますが、行動緩和や進化版GoTo施策による消費活動は一層の活性化が予想されます。

E(Economy:経済的要因)

1年半以上に及ぶコロナ下での機会喪失から貯蓄が増えていた人は多く、その分が平常化するだけでも消費支出の一層の押上げとなりうるポテンシャルを持っています。

S(Society:社会的要因)

弊社の調査結果によると、生活者のコロナ収束時期イメージは22年春夏が多く、ワクチンの接種で安心感も高まるようです。コロナ収束後は帰省や友人と出かけるといった外向きの活動に意欲が高く、その場でしかできないリアル体験を充実させたい気持ちの高まりにより、今までの貯蓄を消費に転換させていくことが期待されます。

T(Technology:技術的要因)

21年12月からワクチン接種証明のオンライン発行がスタートし、スマートフォンで提示できるようになる予定です。入店・入場に当たって接種証明の提示を求めたりすることのほか、割引などの一定のメリットが与えられることもあり、仕組みづくりやルール浸透の過渡期を経て、ウィズコロナの経済活動の後押しになりそうです。

PEST分析から見る生活者消費キーワードと22年春夏のチャンス

コロナが完全収束しない中でも、22年春夏の消費は活性化が予測されます。ワクチン接種証明や陰性証明が必要なシーンはあるにせよ、やりたいことができる、それぞれが求める生活を取り戻していくフェーズとなるのではないでしょうか。これらをPESTにまとめると以下のようになります。

このように<自粛していたことや機会喪失していたこと>には、積極的な行動・消費活動が期待できます。特に、親戚・友人など、同居の家族“以外“との交流は、集いやレジャーの機会が増える春夏には多くなりそうです。「我慢していたことをやりたい」という生活者ニーズは、短期的には特に高まることが考えられ、更に春夏というシーズン特性と掛け合わせると、消費キーワードとして最適です。

 

<我慢したことへの消費>以外の、もうひとつのチャンス

さて、PEST分析のフレームワークを活用してマクロ環境与件と生活者意識を整理し、「家族外交流」という「我慢の反動」となる消費キーワードをご紹介いたしましたが、もうひとつのチャンスについても触れていきたいと思います。

コロナ下では、「我慢していたこと」も多くありましたが、同時に「新たに生まれた・価値が見直されたこと」もありました。これらがどう進化してゆくのか?という点に着目していくことも重要です。

この「家族外交流」のような「我慢の反動からの消費キーワード」に加え、「コロナ下から生まれて、春夏以降に継続・進化する消費キーワード」という2つの方向を合わせて検討することが、コロナ前に戻るのではなく、コロナを経ての新たなマーケットとなる22年春夏を捉えるための大事なポイントと言えます。

 

終わりに

21年秋冬の消費キーワードに続いて、今回は22年春夏の消費キーワードを、PEST分析を用いて一部ご紹介いたしました。PEST分析は、ひとつひとつの事象を俯瞰して見たときに着目できること・注目すべきことは何か?を考え、重点的に捉えるべきポイントの明確化を行うのに有効なフレームワークです。クレオでは、「我慢の反動」と「コロナ下で生まれ、継続・進化」の二方向から、6つの消費キーワードをご提案しております。

経済を活性化させるのは、または消費を活性化させるのは、これをご覧の皆さんの積極的なマーケティング活動も大切です。これから2022年春夏のマーケティング戦略や販促・販売計画、営業計画をご検討されるリテーラー・メーカーの皆様にとってのヒントとなれば幸いです。

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出典:(株) クレオ マーケティング戦略開発部「 2022 年春夏消費者インサイト予測資料」

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(株) クレオ マーケティング戦略開発部「 2022 年春夏消費者インサイト予測資料」を加工して作成

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