2025.02.14
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小売業との商談成功のために押さえておくべきポイントとは?

クレオでは長年にわたり小売業のマーチャンダイジングおよび販売促進の支援や、メーカー企業による小売業に向けての営業活動をサポートしております。そのような中で近年、メーカー企業から「小売業のバイヤーとの商談に持ち込むことができない」「商談が非常に短時間で終わってしまう」といったご相談を多くいただくようになっています。そこで、本レポートでは、こうしたお悩みに対する解決のポイントをご紹介します。
目次
1.小売業(バイヤー)へ営業する際の悩みを整理する
よくいただく具体的なご相談は以下の通りです。
- 新商品説明をしたいものの、商談に持ち込めず、資料を提出するだけで終わってしまう
- 自社商品の新たな売上の山を作りたいが、提案が受け入れられない
この原因として、小売業側が求めている情報が提供されていないことが考えられます。小売業からは、「自社商品の紹介に終始するような商談は減らしたい」というご意見を伺うことが少なくありません。特に昨今では人員不足の影響で、時間の使い方はこれまで以上に厳しく選別されるようになっているとも考えられます。
2.小売業(バイヤー)に関心をもってもらう提案をするためには
小売業様に関心を持っていただける提案をするためには、小売業が日常的に考えているマーケティングの視点と、メーカー側の視点の違いを整理することが重要です。そして、小売業が日々直面している課題やニーズを再認識することで、効果的な提案につながります。そこで、まずメーカーと小売業のマーケティング視点を整理してみましょう。
3.メーカー企業と小売業のマーケティング視点の違い
(1)メーカー企業のマーケティング視点とは
メーカー企業のマーケティング目標は、
・自社商品の認知率の増加
・自社商品の配荷数の増加
・自社商品の販売数や売上金額の増加
・自社商品のファンづくり
といった自社商品の売上をどのように上げるかという視点になります。
(2)小売業のマーケティング視点とは
小売り業のマーケティング目標は、
・店舗の集客数の増加
・店舗(カテゴリ売場)での買い上げ点数や金額の増加
・店舗のファンづくり
といった店舗やカテゴリの売上をどのように上げるかという視点になります。
(3)メーカー企業と小売業のマーケティング視点の違いを整理する
以上を踏まえると、メーカーと小売業の視点の違いは明らかです。メーカーは自社商品をどのように販売するかに重点を置いていますが、小売業は店舗やカテゴリ売場単位での販売を考えています。この視点の違いが、求められる情報に齟齬を生じさせる原因となっています。
4.小売業への提案における重要な視点
小売業の店舗視点とは、「来店する生活者が、どのようにしたら商品を購入するか」という視点です。つまり、生活者が展開時期にどのようなニーズを持ち、どのような価値を感じたときに商品の購入意欲が高まるのかが重要なのです。
メーカー企業は提案を行う際には、自社商品の案内だけでなく、「来店する生活者」のニーズを考慮に入れた提案をすることでチャンスが広がります。「来店する生活者」のニーズとは、展開時期に生活者が抱くニーズを指します。
生活者・小売業・メーカー各々にとってのメリットのある「三方良し」の提案を心がけることが大切です。
5.三方良しとなる提案のために押さえたいポイント
(1)1年間12か月を通しての生活ニーズを考える
来店する生活者は、1年12か月暮らしています。月や季節が変わると、当然のようにニーズも変わってきます。それぞれの時期に生じる生活ニーズをしっかり理解することが重要です。この生活ニーズは大きく2つに分類されます。
ひとつ目は、暦での歳事や季節気候の移り変わりによって生じるニーズです。ふたつ目は、その年だけの特別な事柄、例えばオリンピックなどのように注目を集めるイベントや、消費税の変更など生活に大きな影響を与える政策施行、気候変動や物価高騰、環境変化、買い方、働き方など行動様式の変化などによって生じるニーズです。
商品の展開時期に生じるであろう2つのタイプのニーズを予測し、小売業・メーカー双方にとってのメリットに置き換えて提案することが大切です。
(2)商圏の中にある店舗であることを考える
小売業は店舗単位で売上向上を目指しています。そのため、クーポンやチラシなどを活用し、店舗周辺の居住者に向けた販売促進に力を入れ来店を促しているのです。特に最近では、競合店が増える一方で、人口減少による商圏内の人口が減少しているエリアも多く、店舗を取り巻く環境はより厳しくなっています。このような状況の中で、利用店舗として選ばれるためには、価格施策以外の独自性も重要になってきています。各チェーンが持つ特徴を把握し、それを活かす提案が今後さらに求められていくでしょう。
6.まとめ
最後に小売業に興味をもっていただける提案を行うために押さえておきたい重要なポイントを整理します。
- メーカーと小売業の異なるマーケティング視点を理解すること
- 商品を展開したい時期における生活者のニーズを予測すること
- 各チェーンが持つ独自の特徴を考慮すること
このような工夫を取り入れることで、小売業にとってもメリットのある提案が可能になり、次の一歩を進めることができるでしょう。
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7.最後に
以上、小売業との商談を成功させるためのポイントをまとめました。このレポートが貴社の活動にお役立ていただければ幸いです。
クレオでは、長年にわたる小売業様へのサポートを基に、メーカー様の営業活動を支援するサービスも提供しております。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
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