2021年も残りあとわずかとなりましたが、振り返ってみると、夏の東京オリンピック・パラリンピックの記憶が色濃くよみがえりますね。そして東京五輪から約半年後の2022年2月～3月には、北京で冬季オリンピック・パラリンピックが開催予定となります。
株式会社クレオでは、北京冬季五輪に関連した生活者の意向を把握するアンケート（北京冬季オリンピック・パラリンピックに関する意向調査）を実施いたしました。本記事では調査結果の一部をご紹介いたします。北京冬季五輪の開催を受けてどのような需要が生まれそうか、マーケットチャンスの芽に注目しました。
また、本記事で使用したアンケートのグラフなどをまとめた資料は、無料でダウンロードいただけます。
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【1】北京冬季五輪の観戦意向

北京冬季オリンピック・パラリンピックの観戦意向について、「とても観戦したい」「やや観戦したい」の合計でみると、北京冬季オリンピックが5割強、北京冬季パラリンピックが3.5割程度となりました(図1)。前回の記事では、東京オリンピックの観戦者は6割強、東京パラリンピックの観戦者は4割弱だったことをお伝えしました。東京五輪の観戦者の割合と比較すると、北京冬季五輪の観戦者の割合はやや低くなる可能性があります。
次に、北京冬季オリンピック・パラリンピックのいずれかの大会で、観戦意向がある方に、どこで観戦したいかを聞いたところ、ほとんどの人が「自宅」と答えました(図2)。2021年9月末、国際オリンピック委員会・大会組織委員会から、新型コロナウイルス感染対策のため、現地会場で観戦できるのは中国本土在住者のみになることが発表されています。国内における感染対策意識も持続することで、北京冬季五輪は『おうち観戦』が多くなりそうです。
また、開催期間中の4つの時間帯ごとに(平日午前～17時頃まで/平日17時以降/休日午前～17時頃まで/休日17時以降)、メインの観戦方法の予定について聞いたところ(図3)、「ライブで観戦する予定」の割合が［休日17時以降］の時間帯で56%と最も高くなりました。また［平日17時以降］［休日午前～17時頃まで］の時間帯でも5割程度となりました。日本と北京との時差は－1時間となりますので、ほぼリアルタイムでの観戦となります。そのため流通・小売業やメーカーは、特に［平日夜］や［休日］において『おうちライブ観戦』需要に応える提案が求められそうです。

【2】北京冬季五輪で観戦したい競技

北京冬季オリンピックではどの競技の注目が集まるでしょうか？観戦したいと思う北京冬季オリンピックの競技のランキング(図4)では、1位：フィギュアスケート(女子シングル)、2位：フィギュアスケート(男子シングル)、3位：スキージャンプ、4位：スピードスケート(500m～10000m)となりました。いずれも観戦意向者の5割以上の方がこれらの競技を観戦したいと答えています。特に「フィギュアスケート」は、7割の方が観戦予定となり大人気です。
最も観戦したい競技(図5)では、「フィギュアスケート(男子シングル)」が1位になりました。2位の「フィギュアスケート(女子シングル)」と大差をつけています。また、「フィギュアスケート(男子シングル)」のメダル争いは、2022年2月10日(木)の予定です。時間帯は北京時間で午前9時台～13時台です。2月10日は平日ですが、例外的に午前～お昼の時間帯でリアルタイム観戦が多くなるでしょう。

次に各人気競技について、観戦したい理由に関するコメントの一部をご紹介します。

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■「フィギュアスケート（男子シングル）」を最も観戦したい理由
・羽生結弦選手の金メダル３連覇への挑戦を応援したいと思うので。(40代男性)
・羽生結弦選手が金メダルを獲得できるかも含めて、トップクラスの選手の演技が観たいから。(60代女性)
・羽生結弦選手と宇野昌磨選手を応援したいので。(60代女性)
・羽生選手の3連覇なるかとても興味があるし、応援したいからライブ放送で観戦したい。(70代男性)

■「フィギュアスケート（女子シングル）」を最も観戦したい理由
・紀平梨花選手を応援しているから。(30代女性)
・浅田真央選手の次世代の選手の活躍を見たいから。(40代女性)
・紀平選手やロシア選手などを応援しているので。(50代女性)

■「スキージャンプ」を最も観戦したい理由
・ここ数年、日本選手が世界の大会でも活躍するようになっているから。(40代男性)
・なじみのある競技なので。(40代女性)
・子供の頃からジャンプ競技を観ているので。(50代男性)
・札幌五輪からずっと見ているから。(50代男性)

■「スピードスケート」を最も観戦したい理由
・純粋な速さ比べを楽しめるから。(30代男性)
・長野の地元選手 小平奈緒さんを応援します！(50代女性)
・とてもスピード感があって、選手同士の駆け引きや競い合いがとても楽しめる競技であると思うため。(50代男性)
・採点競技ではなく、勝敗がはっきりしているのが好き。期待出来る選手がいるので応援したい。(60代男性)

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観戦したい理由について、「フィギュアスケート」では、五輪3連覇がかかっている羽生選手をはじめ、宇野選手、紀平選手など、メダルが期待される選手を中心に応援する声が多く、観戦意向の高まりが見受けられました。「スキージャンプ」は、子どもの頃から観ていて馴染みがあることや、近年の日本選手の活躍が期待できるという声が挙がりました。「スピードスケート(500m～10000m)」は、勝敗がはっきりしていることや、選手同士の駆け引きが楽しめることが挙がりました。小平選手など、メダルの獲得が期待できる選手が多いのも、観戦のモチベーションが高まっている要因と言えそうです。

【3】北京冬季五輪開催を受けてやってみたいこと

北京冬季オリンピック・パラリンピックが開催されることで、実際にやってみたいことを聞きました。北京冬季オリンピック・パラリンピックいずれかの観戦意向者(n=1561)のうち、35.5%の人が「実際にやってみたいことがある」と答えています。以下グラフ(図6)の割合は、実際にやってみたいことがあると答えた人の人数を母数としています。「ウィンタースポーツ観戦」が最も高く5割強、次いで「中華料理全般、中国食文化体験」を筆頭に、「四川料理」「北京料理」「広東料理」などの食文化体験をしたいと答えた方が多くなりました。また、「ウィンタースポーツ体験」よりも「日本国内の中華街レジャー」の割合が高くなりました。
北京冬季五輪の開催で、ウィンタースポーツの観戦や体験に注目が集まるだけでなく、ローカルフードを含む中国の食文化体験や、日本国内の中華街レジャーにも注目が集まる兆しが見受けられました。

ポイントまとめ

北京冬季五輪の開催期間は、休日や平日夜にリアルタイムでおうち観戦する人が多そうです。しかし、最も観戦したい競技で1位となった「フィギュアスケート(男子シングル)」のメダル争いは、2月10日(木)の午前中～昼頃の予定となります。そのため、平日の午前中～昼頃でも例外的にリアルタイム観戦の需要が高まる日がありそうです。注目度が高い人気競技を中心に、メダル争いのスケジュールを把握したうえで販促を仕掛けていくことが重要となります。また、スポーツ関連のマーケットだけでなく、中国の食文化や中華街レジャーに関するマーケットチャンスが生まれる可能性もあります。北京冬季五輪から派生する幅広い体験ニーズに対する提案が求められそうです。
また、本記事で詳しく紹介できませんでしたが、本調査では好きな中華料理や観戦中に食べたいメニューについても聴取しています。好きな中華料理では「餃子」が1位となり、観戦中に食べたいメニューとしても「簡単に準備できる」という理由で「冷凍餃子」が挙がっていました。「餃子」を筆頭に『観戦中華フード』の需要も高まりそうですね。
クレオの「北京冬季オリンピック・パラリンピックに関する意向調査」では、観戦フードを深堀する設問や生活者視点で興味関心がある中国トレンドについても聞いています。気になる方はコチラをご覧ください。

調査概要

北京冬季オリンピック・パラリンピックに関する意向調査

●調査対象：全国男女(20代～70代)
●調査期間：2021年10月6日～10日
●有効回答数：3,000s(男性：1,500s 女性：1,500s)
●調査方法：インターネット調査

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出典：（株）クレオ 生活行動研究室「北京冬季オリンピック・パラリンピックに関する意向調査」
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