2021.09.17

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2022年の生活者価値観・潮流~with/アフターコロナの生活者はどう動くのか~

2022年の生活者価値観・潮流~with/アフターコロナの生活者はどう動くのか~

2021年もあと約3か月となりました。
2022年の事業計画や年間計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
近年は市場や社会が成熟してニーズが多様化・複雑化していることに加え、コロナ禍を経てニューノーマルな生活が誕生し、生活者を取り巻く環境も大きく変化しています。生活者に自社の売り場・商品・サービスを選んでもらうためには、生活者の行動・ニーズ・価値観をしっかり把握して、生活者のニーズに合わせた提案していくことが重要になります。しかし、目まぐるしく変化する昨今、現状の実態把握からの提案を行うだけでは不十分です。これからどんな行動・ニーズ・価値観が生まれそうか、半歩先の生活者インサイト、生活者潮流を発見・予測し、先を見越した提案をすることが重要となっています。
株式会社クレオでは、毎年10月に「生活行動カレンダー」というマーケティングブックを発行しております。社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しい暮らし行動を、生活者の立場に立った”生活者視点”で描いているのが特徴です。その中で「生活TIDE」として翌年の生活価値観がどのように変化し、どのような潮流が生まれるかを予測してキーワード化しています。「生活TIDE」は生活者の「生活」と英語で「潮流」・日本語で「態度」の意味をもたせたTIDEという言葉を掛け合わせた当社の造語です。
当記事では、2021年10月1日(金)発行になります「22生活行動カレンダー」掲載の「生活TIDE」をもとに2022年がどのような年になるのか、提案のポイントはどこにあるのか、ご紹介いたします。

2020年、2021年の振り返り

2020年の生活TIDE(潮流)は「生活文化ルネサンス」として経済的豊かさを基軸とした文明型の生活様式から、心の満足を求める文化型の生活様式へのターニングポイントとなると提言しました。
昭和から平成にかけては大量消費とモノの所有に豊かさを求める時代でした。近年はエシカルな消費への関心が高まり、モノを持たないシェアをするスタイルが広がっています。経済は使い捨て経済から循環経済に移行し、生活者の関心もモノの豊かさから心の満足にシフトすると捉えられます。
2020年が始まると新型コロナウイルスのパンデミックが起き、生活者は自粛生活を強いられ、利他的であること、エシカルであること、相互に支え合うことの大切さに気付き、文化型の生活様式への選択が顕在化していきました。

そして2021年の生活TIDE(潮流)は「Values Shift」と提言しました。新型コロナウイルスの影響による、人との接触制限や移動の制限は続き、ウィズコロナの中で生活者はいかに新しい世界と協調し、どのように自分らしく豊かに暮らしていくか模索していました。そして、ニューノーマルと言われていた生活が“ニュー”ではなく、普通の日常として定着・確立する年となり、生活者の価値観の変化が加速する年となると捉えました。

2020年から提言しているように、長期的な生活潮流では、文明的な価値観から、文化的な価値観へ移行しています。具体的には、都市重視から自然重視、グローバルからローカル、マスからパーソナルへ、競争から共生、サイエンスからアート、スキルからセンスなど、物質的ハード価値から心や情緒のソフトの価値へ移行が進んでいます。
大量生産・大量消費による、経済的豊かさを優先するシステムには矛盾が生じ、エシカル消費への転換が進んでいます。この潮流はデジタル技術と融合し、人間らしい暮らしをデジタルテクノロジーが支えるといったデジタルスローな社会へとつながります。
生活の潮流は、経済重視から人間性重視に向かっています。

2022年の生活TIDE(潮流)は「心ある選択」

そして、2022年の生活TIDE(潮流)は「心ある選択」としました。
2021年までは、その変化に対応すべく、自分の豊かさの追求や価値観をシフトさせることに重きが置かれましたが、2022年以降は、その中から“選択する”という具体的行動へと発展していくと考えます。
そしてその選択は「心ある選択」です。心ある選択とは、人間らしさと自然環境を中心にした、未来につながる選択が大切にされていく生活者の価値観を表しています。今後は、サスティナブルであること、倫理的であること、人や土地、文化に対する敬意があること、共感や感謝の気持ちを呼び起こせることが人間性重視の視点での選択基準になっていきます。
企業においては効率性だけでなく、社会課題に対する人間性や優しさを基準にして商品やサービスを開発することが求められます。

「心ある選択」の8つのキーワード

2022年の大きな潮流である生活TIDE「心ある選択」を、消費、生活スタイル、価値観、社会などより細かい切り口でみた時に注目すべきポイントを8つのキーワードでまとめました。
当記事では、2つのキーワードについて要点をご紹介します。

1、リリース消費

リリースとは、束縛をといて放つこと、解放するという意味です。
新型コロナウイルスの収束の見通しがたってくると、開放感や消費モチベーションが高まります。
クレオが実施した調査では、コロナが収束に向かったら重視したいこととして「国内旅行」、「外食、交際・人付き合い」、「海外旅行」が上位にあがりました。コロナ禍で我慢していたものを開放する、外向きのリリース消費として注目されます。
また「健康管理」と「趣味」は、コロナ禍で重視したこと、コロナが収束に向かったら重視したいことのいずれにおいても上位にあがりました。コロナ禍ではアロマテラピーやマインドフルネスなどの心身のリラックス、今までできなかった趣味を始めたり深めるなどの行動が注目されましたが、これら内向きのリリース消費はコロナが収束してからも続きそうです。

2、自分フィット

フィットとは、自分にピッタリと合うという意味です。
商品づくりにおいては受注生産が増えています。個人それぞれの生活習慣や体形、趣味嗜好など、パーソナルデータに併せて最適化を求めるニーズへの対応が進んでいます。デザインや機能を選べるカスタマイズ商品や生活者参加型の共創マーケティングも注目されています。
ブランディングにおいてはライフスタイルの提案や、環境や社会貢献への取り組みが生活者に発信されています。ブランドのコンセプトや世界観に共感してもらい、ファンになってもらうことが重要になっています。

その他、6つのキーワードは下記です。

  • 3、ミニマル・スタイル
  • 4、ニッポンエシカル
  • 5、ジモトケーション
  • 6、リアルライブマーケット
  • 7、withスポーツ
  • 8、デイリーヘルステック

おわりに

新型コロナウイルスのパンデミックにより生活は一変し、三密を回避する接触制限、在宅勤務などによる活動拠点の変化などニューノーマルな生活様式が浸透しました。2021年現在、変異株の流行で先行きの不透明感は否めませんが、ワクチン接種の広がりによるコロナ収束のシナリオも期待されます。2022年に予定されている社会的事象やイベント、生活者意識データなどをもとに、このような状況下においても消費のモチベーションを高める要素や提案のチャンスにつながる要素を予測するヒントとして2022年の潮流とキーワードをご紹介いたしました。
2022年の事業計画や年間計画、販促・企画を立てる際のベースとなる考え方、方向性の参考としていただければ幸いです。
尚、2021年10月1日(金)に発行する「22生活行動カレンダー」では、8つのキーワードについて事例も交えてより詳しい内容をご紹介していますので、ご興味のある方は併せてご覧ください。

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出典:(株)クレオ 生活行動研究室「2022年の生活者価値観・潮流」

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