2021.08.16

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週別データから分かる!最新2021年 鍋の販促ポイントは?コロナで変化した食べ方事情

週別データから分かる!最新2021年 鍋の販促ポイントは?コロナで変化した食べ方事情

2021年も残り数ヶ月となりました。あっという間に鍋商戦の季節ですね。鍋商材を販売する流通・小売業、メーカー業の皆様方におかれましては、半期にかけて継続的な売上を確保できる鍋商戦に備えるため、準備をされている頃と思います。今慌てて鍋の販促計画を立てている方、週ごと~月度ごとの詳細の計画を検討している方、鍋に関連したメニュー提案のPOPを作成している方など、準備状況はさまざまだと思いますが、来たる鍋商戦に向け、家庭における鍋の喫食実態の最新情報やトレンドを把握することは非常に重要です。
株式会社クレオでは、2020年8月3日(月)から2021年4月4日(日)までの35週間を対象に、鍋をテーマに毎週アンケートを実施し、鍋シーズンの週ごとの鍋需要予測、人気の鍋ランキング、コロナ禍における鍋の食べられ方などをまとめました。

50種類の鍋メニュー喫食率のランキング表は、無料でダウンロードいただけます。気になる方は最下のフォームからお申し込みください。

鍋の実施率は年末年始がピーク!

【1】2020年~2021年鍋シーズンの週ごとの鍋実施率

まず、家庭の鍋全体のマーケットを大きく捉えてみましょう。9月から大きく伸長し、年末年始を頂点に山型を描きます。実施率は3月でも3割を超え、安定的に食べられているのが分かりますね。最も実施率が高いのは、2020年52週目(2020年12月28日~2021年1月3日)で、59.3%と6割近くになります。対前週比においては+9.0ポイントに達しました。
対前週比で年末年始週の次に高かったのは、2020年41週目(2020年10月5日~10月11日)です(+5.5ポイント)。この時期、二十四節気(※)では、冷たい露を意味する「寒露(かんろ)」の時期です。本格的な秋到来で気温も下がり始めるので、ホットメニュー代表格の鍋の実施率が大きく伸びたと考えられます。
※二十四節気とは、一年を太陽の動き(黄経)によって24等分し、その区切りに季節を表す名前をつけたもの

よく食べられている鍋は「おでん」「すきやき」「しゃぶしゃぶ」

【2】2020年~2021年鍋シーズン人気鍋メニューランキング

続いて家庭で食べる鍋の人気メニューを見ていきましょう。
クレオの鍋アンケートでは、50種類の鍋のデータを取得しています。本記事では上位20位までを掲載します。
50種類の鍋のうち、「おでん」「すきやき(牛)」「しゃぶしゃぶ(豚)」が上位3位を占めました。次いで「寄せ鍋」「キムチ鍋(チゲ鍋)」「白菜鍋」「水炊き」「湯豆腐」「鶏団子鍋」「うどんすき」と続きます。上位にランクインする鍋は、鍋マーケットをおさえる上で、時系列の喫食動向に特に注目するべき鍋と考えられます。

人気鍋の週ごとの喫食動向は3タイプ [ハレ鍋][旬鍋][定番鍋]に注目!

【3】鍋の喫食動向タイプ

上位10位までランクインする人気鍋を軸に、時系列でいつ食べられているのかをみると、特徴的な動きをする鍋が3タイプあることが分かりました。
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ハレ鍋タイプ・・・すきやき、かに鍋(※)
旬鍋タイプ・・・白菜鍋
定番鍋タイプ・・・おでん、寄せ鍋、キムチ鍋
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※「かに鍋」は24位でしたが「すきやき」と同じ特徴が見られたので掲載

【ハレ鍋タイプ】年末年始に伸びる「すきやき」「かに鍋」。「すきやき」は8月のお盆の時期にも人気!

年末年始はハレの日の鍋でおなじみ「すきやき(牛)」や「かに鍋」が急激に増加します。これらの鍋は年末年始凸型のグラフを描き、年末年始に特に販促を強化したい鍋メニューとなります。また、「すきやき(牛)」に注目すると、2020年33週目(2020年8月10日~16日)の8月のお盆の週にも食べられていることが分かります。年末年始やお盆など、家族皆で集まる貴重な時期だからこそ、豪華な食材の鍋を皆で囲んでおいしく食べたいというニーズがありそうですね。夏季休暇の時期は、バーベキュー需要で焼肉提案に比重が置かれがちですが、夏野菜を使ったすき焼き提案なども良さそうです。また、「かに」も年末年始に売り込むべきハレ食材となります。年末年始に向けて、「かに鍋」「かにすき」「かにしゃぶ」など「かに」を軸にしたメニュー提案を強化してみるのも良いでしょう。

【旬鍋タイプ】「白菜鍋」など素材の旬の時期に合わせて伸びる鍋は旬素材が最もおいしい最旬に販促強化!

旬の食材を使った鍋の代表格として「白菜鍋」に注目すると、年末年始に食べられる割合は下がるものの、期間全体としては1月中旬をピークとして伸びています。二十四節気(※)ではちょうど「大寒(だいかん)」の時期にあたり、一年で最も寒くなる時期です。白菜は寒くなるほど甘味と美味しさが増し、まさにこの「大寒」の時期は白菜が一番美味しくなる時期と言われています。このように『旬鍋』は、使う素材の最旬の時期を認識したうえで、メリハリをつけて売り込みをかけることがポイントです。しかし、葉物野菜についてはその年の夏から秋の気候の状況で価格が大きく変動します。例年と比べて旬野菜の価格が高騰する場合、もやしなど安価な野菜でかさ増しをするなど、節約を意識した鍋の提案も必要となるでしょう。素材の最旬の時期を見極めるとともに素材の相場にも注目するようにしましょう。
※二十四節気とは太陽の黄道上の動きを24等分して約15日ごとに分けた季節のことを言います。

【定番鍋タイプ】時期に関係なく食べられる「おでん」「寄せ鍋」「キムチ鍋」などの定番鍋は食べ方のバリエーションを広げる提案を!

「おでん」「寄せ鍋」「キムチ鍋」などの定番鍋は、鍋シーズン全体を通して、他の鍋よりも安定的に食べられています。(ただし、「おでん」と「キムチ鍋」は、年末年始に食べられる割合が急落します。)
このような定番鍋は、メニューとして既に定着しているので、しめのバリエーションを増やすなど、楽しみ方が広がるような提案が求められます。


各定番鍋のしめのランキングも見てみましょう。「おでん」のしめは「うどん」が1位になりました。「おでん」と「うどん」の関連販売などもチャンスがありそうですね。このデータを裏づけるかのように、うどん入りおでんの「おどん」という松江市のご当地グルメも、最近人気のようです。また、「寄せ鍋」「キムチ鍋」のしめは「うどん」「雑炊」「ラーメン」が人気です。4位以降に注目すると「寄せ鍋」は「お餅(雑煮など)」「そば」、「キムチ鍋」は「リゾット」「ちゃんぽん麺」などのしめ方で楽しまれていることが分かります。鍋の種類ごとにしめのバリエーションの可能性をデータから深堀することで、定番鍋に変化を与えるヒントが得られます。

コロナの影響?大きい土鍋の利用が減少し『ひとり鍋』増加!


【4】コロナ禍における鍋の食べられ方

鍋を囲む人数と使用した鍋の形態について、2019年-2020年シーズンと2020年-2021年シーズンの割合を比較しました。
鍋を囲む人数では、「自分1人のみ」が最も増加(+3.2ポイント)しました。
また、鍋の形態では、「大きい土鍋」の利用が減少傾向(-3.6ポイント)にあります。一方、「1人用土鍋」や「片手鍋」は微増となりました。もともと高齢化や単身化など世帯構造の変化により「個食鍋」は注目されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、さらに需要が増えそうです。同じ鍋から複数人でシェアすることを敬遠する意識も出てきている可能性があります。

ポイントまとめ

鍋のメニュー別にどの週から販促を強化するべきかを生活者視点で検討することも重要です。週ごとの数値を見ることで、思ったよりこの時期にこの鍋が伸びているなどの気づきが得られ、販促のチャンスロスを最低限にすることが可能です。「定番鍋」のように仕掛けるべき時期が見えづらい鍋は、しめのバリエーションを増やすことで楽しみ方を広げる提案など、鍋メニュー+αの提案が有効そうです。
また、コロナ禍の影響を受け『ひとり鍋』の需要がさらに増えています。2021年-2022年シーズンも新型コロナウイルス対策の意識は継続すると考えられますので、家庭で食べる鍋において、個食・少量に対応した量目設定もポイントとなるでしょう。

無料データのご案内

2020年8月3日から2021年4月4日までに喫食された鍋メニューのランキング表を【無料】でダウンロードいただけます。鍋の種類は以下50種類です。
※鍋を食べた日ごとの回答数の合算を母数としたとき、対象の鍋がどれだけの割合食べられたかを示した数表です。

最下の【申し込みフォーム】からお願いいたします。

有料データのご案内

上記すべての設問の調査結果の単純集計表・クロス集計表・レポートも、ご要望に応じて【有料】にて承ります。

■回答者属性設問
性別
年代
未既婚
居住地(都道府県)
世帯構成
子学齢

■鍋に関する設問
(1)鍋料理をいつ食べたか(日ごと)※平日・休日の把握
(2)鍋料理を何人で食べたか
(3)鍋料理のメニュー
(4)鍋の形態 ※土鍋/フライパン/鍋セット 等
(5)鍋料理のしめは何か
(6)その日にその鍋料理を作った理由 ※節約/健康/簡便/旬 等
(7)使った鍋の材料をどこで買ったか
(8)使った鍋の材料にかかったコスト(購入金額)

■集計軸
週別(35週)
曜日別(平日|土曜日|日曜日|祝日)

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[調査結果データについて]にチェックをお願いします。別途担当者よりご連絡差し上げます。

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(「鍋」の取り組みについては、10月度のレポートに掲載しております)
▼レポートイメージ(一部)

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1、本ページの記事内容、関連する調査の集計結果、レポート等の著作権は、株式会社クレオが保有します。
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【出典の記載例】
 出典:(株)クレオ 生活行動研究室「2020年~2021年シーズン 鍋調査」

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【編集・加工等して利用する場合の記載例】
 (株)クレオ 生活行動研究室「2020年~2021年シーズン 鍋調査」を加工して作成

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