いいね!と言ってもらえる「良い発想」って、どんな「発想」?
「スイッチ発想法」とは?をご紹介する前にまず、「良い発想」について触れたいと思います。新たな考えや思いつきに対して、「いいね!」「良い発想だね!」と感じることがあると思いますが、その、「良い発想」とは、いったいどんな「発想」のことなのでしょうか?
「発想」という言葉を辞書で調べると、「新しい考えや思いつきを得ること」とあります。しかし、ただ単純な「新しい考えや思いつき」は、人の心を動かす「良い発想」であるとは限らないように感じます。
なぜなら、「良い発想」と言われるものには、必ず「共感」できる「課題」があって、それを「驚き」を持って解決する「提案」がセットになっているように思うからです。つまり、「わかるわかる!」と共感できる入り口と、「そうきたか!」と思わせるような既視感のない具体的な出口が描かれていること。そういうものが、「良い発想」と感じさせるものなのではないでしょうか。
そのような「良い発想」を生み出すためには、KJ法、ブレーンストーミング、マインドマップなどよく知られている一般論もありますが、今回は冒頭で少し触れさせていただいた、KREO PLANet.が名付けた「スイッチ発想法」について、以下で詳しくお話していきますね。
ネガティブ思考で、「課題」と向き合う
「課題」を、「わかるわかる!」と「共感」できる入口まで掘り下げる
「良い発想」をする上で、はじめに大切だと思うのは、「課題」を本質的に捉えることです。一般的な困りごとや、日常から感じる不満、社会的な問題など、解決を必要としている「課題」自体はいろいろあると思います。
しかし、それらの「課題」を捉えるときには、「表面化している課題」から、「わかるわかる!」と「共感」できる「課題」の入り口までたどり着くまで、インサイトを掘り下げることが大事だと考えています。そのためにはまず、その「課題」のターゲットの「本音」に向き合うSTEPが必要です。
ネガティブ思考でターゲットになりきり、とことん「本音」を洗い出す
例えば、解決したい課題が「若者の献血離れ」の場合。なぜ若者たちは献血に行かないのか。献血に行かない若者になりきり、献血に対する若者の「本音」に、ネガティブ思考で向き合います。
そうするとまず、「痛いのがいやだ。」、「何をするのか、よくわからない。」、「行く機会がない。」などの理由があげられそうです。ただしそこで思考をとめず、ネガティブ思考でどんどん掘り下げていくと、ほかにも、「閉ざされた雰囲気があって踏み込めない。」や「偽善的に思われたくない。」、「必要だとは思うけど、1人で行く勇気もないし、誰かを誘う理由がない。」等の「本音」がみえてくるかもしれません。
このように「本音」を深ぼった上で、献血に行かない若者が「わかるわかる!」と「共感」できる「課題」を設定します。
ターゲットになりきり、あえて悲観的にとことんネガティブ思考で「本音」を洗い出すことで、「表面化している課題」の奥深くに潜んでいた、「共感」できる「課題」の入り口が見つけやすくなると思いませんか?
ポジティブ思考で「課題」と向き合う
「驚き」には、「裏切り」がある
良い発想をする上で、次に大事だと考えるのは、「驚き」がある「提案」です。
「課題」に対する「提案」が、受け手の想像の範囲内であると、それがたとえ理にかなっていたとしても、人は無意識にスルーしてしまうかもしれません。
一方で、「課題」に対して、一般的な価値観や考え(=想定)を前提としながらも、それをいい意味で「裏切る」ことができれば、「驚き」のある「提案」につながるのではないでしょうか。
「共感」できる「課題」を入口にするからこそ、「共感」の後の「裏切り」が「驚き」となり、人の心を動かすことができるのではないか、と考えています。
「そうきたか!」の「裏切り」をつくるポジティブ思考。
では、一般的な価値観や考えを「裏切る」「提案」は、どうやって考えたらいいのでしょうか。1つの手法として、ネガティブ思考で「課題」に向き合ったあと、思考を「逆転・スイッチ」し、今度は、ポジティブ思考で「課題」に向き合ってみると、まったく別の面が見えてくることがあります。
例えば、先ほどの「若者の献血離れ」。
ネガティブに捉えると、「経験したことのない、少し怖そうな体験」という側面がありますが、ポジティブに捉えると、 「斬新でスリルを楽しめる謎めいた体験」とも置き換えられるのではないでしょうか?
このようにネガティブ思考で掘り下げた「課題」に対して、ポジティブ思考で向き合い直すことで、「驚き」を持って解決する発想のヒントが見えやすくなると考えています。
ネガティブ思考×ポジティブ思考 の 「スイッチ発想法」
ここまでご紹介させていただいた発想の仕方を「スイッチ発想法」と名付けた理由は、解決のヒントを見つけるまで、ネガティブ思考とポジティブ思考を「逆転・スイッチ」させながら発想していくスタイルに由来しています。
まず、「ネガティブ思考」で「課題」と向き合い、「本音」を深ぼる。そして次に、「ポジティブ思考」で「課題」と向き合い、「一般的な価値観や考え」を裏切る。そうすることで、「人の心を動かす良い発想」につながる、“新たな発想”の“タネ”が作れるのでは?と思っています。
あくまで、1つの考えに過ぎないですが、アイデアを考える際の参考になれば幸いです。最後に、KREO PLANet.の中で、そんな「スイッチ発想」に近い発想が詰まったPLANをご紹介します。どんなプランなんだろう?と気になった方はぜひ、企画自体を見ていただけると嬉しいです!
スイッチ発想を活用したプラン一例
PLAN 004 「若者の献血離れを解消するPLAN」
この記事で少し触れましたが、ネガティブ思考で考えると「経験したことのない、少し怖そうな体験」という側面がある献血を、ポジティブ思考で「斬新でスリルを楽しめる謎めいた体験」にスイッチ。若者が参加したくなる、驚きのあるアイデアを提案しています。
https://kreo.jp/planet/plan_info.php?plan_id=4
PLAN 024 「ゲーム経験を自己アピールに変えるPLAN」
ネガティブ思考で考えると「教育上悪影響がある」や「時間を費やしても将来のためにならない」などの悪いイメージがあるゲーム。しかしそのゲームに費やした時間は本当に無駄なものなのか?と、ゲーマーの目線でポジティブ思考で向き合い、ゲームで得た経験を前向きに評価する仕組みを提案しています。きっとあなたも、「そうきたか!」と思うはず・・!
https://kreo.jp/planet/plan_info.php?plan_id=24
PLAN 038 「雷発生時のストレスを軽減するPLAN」
雷が大の苦手なプランナーが、雷が鳴っている間の自分のネガティブな感情に向き合い、雷が鳴っている間のストレスを緩和するためのポジティブなアイデアを提案しています。気候変動などの影響で遭遇することは避けられない雷が怖い、という課題に対して、その時間ならではの、まさしく「そうきたか!」と思わせるポジティブな出口が用意されています。
https://kreo.jp/planet/plan_info.php?plan_id=39