“母の日”や“父の日”は、ギフトを贈ったり、受け取ったりして過ごすのが定着しています。親しまれてきた習慣ですが、なんとなく違和感を覚えたことはありませんか?
「母の日・父の日」は、ジェンダー平等や、家庭環境の多様化など、今の社会的な背景から考えてみると、「母親・父親」にフォーカスしたアウトプットに古臭さを感じたり、単なるギフト訴求は昔ながらの商業イベントに感じたりすることも。せっかくの「親に感謝する」という良い習慣なのに、これではなんだかもったいないのでは!?
私は保育園に通う2児の母なのですが、子どもたちと一緒に心から楽しめる日になったらいいな!と思い、多くの親子が共感できる、時代に合った母の日・父の日の楽しみ方として、今回のプランを考えました。
■母の日・父の日がなくなっている!?
ジェンダー平等や多様性の尊重は、近年SDGsの中でも重要なテーマとして掲げられ、世の中の意識も高まっています。学校でも教育のテーマとして取り上げられ始めているなか、子どもたちはジェンダーを区別する「母の日・父の日」に、大人よりも違和感を覚えるのではないでしょうか。
また、ひとり親の割合は20年前に比べ約2倍に増加していて、学校で同じクラスにひとり親家庭の子がいるということも珍しくありません。
ひとり親の当事者は、母の日・父の日が近づくと「広告をたくさん見かけるけど、子どもが傷つかないかな?」「お父さん/お母さんの似顔絵を描いてプレゼントさせる子ども向けイベントがあって戸惑う」といった悩みもあると思います。実際に、このような状況を受けて、母の日・父の日の子ども向けイベントを取りやめる動きもあるようです。ただ、それはそれで、少し寂しさも感じます。
「育ててくれる親に感謝する」という、続いてきた習慣の良い部分を残していくためにも、時代とともに変化する環境や価値観に合わせて、母の日・父の日という歳時イベントの考え方もアップデートが必要だと感じました。
■「子ども視点」で感謝することにフォーカス
プランを考えるにあたり、ターゲットは、今この時代の価値観のなかで育っている世代である「小学生、中学生、高校生」とその親に設定しました。なんとなく習慣だからギフトを贈るのではなく、子どもたちの気持ちが動き、楽しみながら行動することで、新たな親子の時間を生み出せる企画になれば、良い方向に向かいそう、というところからプランニングスタート。
まず、大きな問題点は「母、父と性別を区別する視点」。それなら「親に感謝する子どもの視点」にフォーカスして考えたらどうだろう。大切なのは、子どもが自分で感謝の気持ちに気付き、それを伝えられること。そして親子がともに充実できること。
最近では、子から親への感謝に限らず、家族に感謝を伝える「ファミリーデー」の取り組みがじわじわ増えているのも、類似の背景があると思います。
また、社会的な価値観アップデートにつなげるには、企業を巻き込んだ取り組みにする必要があると考えました。多様性を尊重し、時代に合わせて変化することはSDGsにも掲げられる社会や企業に求められる責任です。企業にとってSDGsに関する取り組みの一環になり、企業の価値観がアップデートされることで商業イベントから脱する布石となる活動はメリットになるはずです。そこで、子どもたちの行動を企業がサポートする仕組みを、企画に組み込むことにしました。
■子どもたちが、楽しみながら親への感謝を感じられる
そうして考えたのが、「子とギフト」です。「子とギフト」とは、子どもがギフトを贈るプロセスのなかで、親への感謝が引き出される体験型ギフトカタログです。
さまざまな企業から募集した「親をおもてなしするプラン」を、WEBサイトや冊子にまとめて、現状の母の日~父の日の約1カ月間、日本中の子どもたちに公開。子どもが、やりたいと思ったプランを活用して、企業のサポートのもと、様々なアクションを経て生み出した“親子の時間”が、親へのギフトになります。企業には、子どものお小遣いで参加できるようなお得なプランを提供してもらうことをイメージしています。そうすることで、子どもが利用しやすいだけでなく、親や社会からの注目を集めることにもつながっていき、そのうえで取り組みへの共感が得られることで、このプランが広がりやすくなるとも考えました。
「楽しそうだからやりたい」と子どもたちが思い、アクションを起こした結果、親への理解が深まって、感謝の気持ちが湧きあがってくるような、そんなプランが詰まった「子とギフト」を目指しています。企業プランのイメージは、ぜひ企画書を見てみてください。
■子ども・親・企業がwin-win-winになれる
このプランを成立させ、さらに新しい習慣として続けられるようにしていくためには、関わる全てのひとにメリットがあることが重要です。
① 子ども:自発的にやりたくなり、行動するなかで親への感謝の気持ちが湧いてくる
② 親:子どもの気持ち、行動が嬉しく、成長も感じられる。親子でよかった!(このサービスの恩恵をうけられて嬉しい気持ちも含む)と思える。
③ 企業:CSR活動の一環、ブランディング、マーケティング、につながる。
3者の気持ちが満たされる、令和の気分に合った新しいイベントが広がることを願っています。
企画内容に共感いただければ、周りの方へシェアいただけると嬉しいです。また、企画内容の課題やテーマにご賛同いただける企業や団体の皆様、こういった企画の実現に向けて、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。