みなさん、駅のエスカレーターでちゃんと立ち止まっていますか?周りに流されて片側を空けてしまったり、歩いてしまったりしていませんか?「エスカレーターは立ち止まって乗ろう」ということが提唱されているにもかかわらず、まだしっかり根付いていないように感じます。今回は、みんながエスカレーターに立ち止まって乗りたくなるようにするにはどうしたらいいか?を考えてみました。
なぜ、エスカレーターで立ち止まることが根付かないのか?
「立ち止まって乗る側は長蛇の列、でも立ち止まって乗りたいからこっちに並ぶか・・・」
本来両側とも歩行禁止のはずのエスカレーターで、片側は歩く人のために空けて、もう片側は立ち止まって乗りたい人たちで長蛇の列。こんな光景をよく目にします。
エスカレーターでの災害発生の原因1位は歩行などによる「乗り方不良」です。
※乗り方不良とは踏段上を歩行する、手すりを持たない、逆走するなど安全とされている方法以外での乗り方を指します。
※出典: 一般社団法人 日本エレベーター協会ホームページ/「エスカレーターにおける利用者災害の調査報告(第9回)」
https://www.n-elekyo.or.jp/about/elevatorjournal/pdf/Journal31_11.pdf
図7,8参照
そもそも「エスカレーターは歩行禁止」が提唱されているし、ポスターも貼られているのに、なぜエスカレーターの両側に立ち止まることができないのでしょうか?
そこには「急いでいるから早く進みたい」という気持ちもある一方で、日本人の「空気を読む」「周りと一緒が安心」という心理が働いているのではないか?と思いました。
・みんなが歩いてるし、自分も流れに乗って歩いちゃおう。
・もし立ち止まっても急いでいる人が後ろから来て煽られたら嫌だな・・・
そんな心理になること、ありませんか?
本来立ち止まって乗ったほうがいいことは知っているけど、つい歩いてしまっていた…そんな流されやすい自分を変えるきっかけとして身近なエスカレーターの乗り方から変えられれば、ちょっと自信がつくんじゃないか、楽しいんじゃないか、と考え今回の企画を考えてみました。
そんなときに思い浮かんだのが、元来臆病なペンギンの集団の中で最初に海に飛び込む勇気あるペンギンを指す「ファーストペンギン」という言葉。リスクを恐れず最初にチャレンジする人のことをそう呼ぶこともありますよね。
みんながファーストペンギンの精神を持って、片側歩行をしてしまう集団の中で勇気をもって立ち止まることができたら、エスカレーターの乗り方の空気感が変わるのでは?それが今回の企画の着想点です。
エスカレーターで立ち止まる最初の1人になれ!
本企画は、片側歩行が常態化している駅のエスカレーターで、歩く人用に空けられている片側に最初に立ち止まる人を勇敢な者として称える世の中の空気をつくろう!ということを主眼に置いて考えてみました。
勇敢な者への名誉ある称号を作り、それを形にするアイテムも考えました。
やっぱり、人から称えられるのってうれしいですよね。
そして、そんな勇敢な者にはもちろんインセンティブもご用意。
勇気を持って危険な海に最初に飛び込むペンギンこそが、多くの獲物を獲得できるのと同じです。
エスカレーターを立ち止まって利用することが当たり前の世の中に。
エスカレーターを利用する人の中には、どうしても立ち止まらないと乗れなかったり、小さなこどもと手をつないで乗りたかったりする人がいます。
そういった人たちは数が多くないので、どうしても目立ちにくく見過ごされがちです。
でも、もしすべてのエスカレーターで当たり前のように立ち止まって乗る空気が生まれたらどうでしょうか?そういった人たちも安心してエスカレーターに乗ることができますし、エスカレーターでの事故も減ります。
そして、目の前にある「片側を歩く人のために空けておこう」という空気感に勇気を持って立ち向かう経験が、自己肯定感の向上にもつながっていくのではないかと考えています。
みんながポジティブな気持ちで、当たり前のようにエスカレーターで立ち止まる世の中になりますように。そしてみんなの心の中に勇敢な気持ちが宿り、日々の生活に小さな自己肯定感が生まれますように。