夏の夜空を彩る花火大会は、年齢問わず楽しめる日本の夏の風物詩。しかし翌朝の会場には散乱するゴミが運営者や地域の悩みとなっていることをご存知でしょうか。そこで「ゴミを持ち帰らないと妖怪が現れる」という少し怖いけどワクワク感もあるストーリー設定で、楽しくゴミを持ち帰りたくなる今までにない啓蒙活動を考えました。
夏の夜空を彩る伝統行事「花火大会」
──その華やかな一夜のイベントの翌朝には会場周辺に大量の空き缶やトレイ、ペットボトルなどのゴミが散乱しています。自治体ごとに「ポイ捨て禁止」や「ゴミの持ち帰り」などの啓蒙活動を実施するものの、改善が広く実感されているとは言い難い状況です。地域住民からの苦情は後を絶たず、開催の存続さえ危ぶまれる花火大会も少なくありません。従来の「ポイ捨て禁止」の呼びかけでは、残念ながら人々の行動を変えられず、課題は深まるばかりです。
この現状を変えるために、「エンタメ」と「啓発」を融合させたゴミ問題に対する新しいアプローチを考えました。ポイントは、来場者がただ啓蒙されるのではなく、自ら動きたくなる「体験」をデザインすること。そこでキーワードに据えたのが、夏の日本に古くから伝わる“妖怪”です。
物語はこう始まります。
──花火大会の夜、会場に捨てられたゴミが集まると、“ゴミかべ”や“カンカラおに”、“ペットボトルノヌシ”といった妖怪たちが出現し、来場者の帰路を阻んでしまうという伝説がある──
妖怪を出現させないためには、ゴミをきちんと持ち帰らなければなりません。子どもたちは自分が妖怪退治のヒーローになった気分で、大人も童心に帰ってワクワク楽しみながら、ゴミを持ち帰ってもらう仕掛けです。
このストーリー設定を前提として、3つの取組みを実施。
① 妖怪を出現させないお守り風デザインのゴミ袋の配布
② ゴミのポイ捨てを阻止する妖怪からのドッキリ体験
③ 大会後のゴミの量に応じて、翌年の花火の規模が変動する仕組みの導入
これらを通じて、単なる注意喚起では届かなかった“意識”と“行動”にポジティブな変化を起こします。
「見られているから」「守らなきゃ」という受動的にゴミ捨てを誘発するのではなく、「自分たちの手で花火の夜を守る」という参加型のイベントとなるのがこのプランの魅力です。
さらに、一度成功モデルとなれば、夏祭りや音楽フェスなど、ゴミ問題が付き物である夏のイベントへの横展開も可能。単なるゴミ問題への対策を超え、地域と参加者がともに育む「持続可能なイベント」の実現を目指します。
この取組みに興味のある自治体や飲料メーカーのご担当者様、お問い合わせいただけますと幸いです!楽しく自発的に、ゴミのない花火大会を実現してみませんか?