2025.12.10

生活者研究

販促・マーケティング

自社商材の購買を後押しする生活者マインドを掴む!『マインド診断』

自社商材の購買を後押しする生活者マインドを掴む!『マインド診断』

現在、気候変動や物価高騰など、生活者を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先を見通すことが難しくなっています。先行き不透明感が増す中、BtoCのマーケティング活動においては、生活者ニーズに合致した共感性の高い訴求戦略がより一層大事になると考えられます。
こうした課題感のもとクレオは、生活者の購買行動を理解するだけでなく、その背景にある「生活者マインド(気持ち)」を読み解いて施策に生かす「生活者マインド・マーケティング」の有用性を直近のレポート「共感を生む「生活者マインド・マーケティング」とは」でお伝えしました。

クレオではお客様の課題感に合わせて、「生活者マインド・マーケティング」の考え方に基づくご支援メニューを幅広くご用意しております。そのひとつが、定量調査で特定の商材の購買背景にあるマインドをさぐる「マインド診断」です。
本記事では、「マインド診断」の目的や流れ、活用方法を具体的にイメージしていただくため、生活者マインドと購買との関連を見える化した自主調査の結果の一部をご紹介します。

1.クレオが考える、購買の起因となる【生活者マインド】

まず、クレオの「マインド・マーケティング」の根幹となる【生活者マインド】について、考え方を簡単にご説明します。「生活者マインド・マーケティング」の考え方をご存じの方は、次のパートにお進みください。

近年、気候変動による二季化、国際情勢の不透明化、AI技術の急速な進展と普及等、マクロ環境の変化がさらに激しくなっています。また、SNSを通じた情報発信や共有が日常的になった現在、生活者同士の口コミや共感が購買に大きな影響力を持つようになっています。
今後、日本においては少子高齢化に伴い市場がシュリンクしていくと見込まれます。したがって、企業が持続的に成長をしていくためには、生活者のニーズをきめ細やかに理解した上で共感を呼び起こす商品・サービスを提供することがこれまで以上に求められるでしょう。
こうした課題を踏まえて、クレオは購買や消費の“起点”となる生活者心理――「生活者マインド」に基づくマーケティングをご提案しています。

さて、ひとくちに「生活者マインド」と言っても、生活者が日々感じる「気持ち」はあまりに多様です。そこでクレオは、購買の起因となり得る「生活者マインド」を体系的に整理しました(図1)。
40種類以上の「生活者マインド」を、3つの階層「ベーシック(保持)」「アジャスト(調整)」「グロース(拡張)」に大きく分類した上で、その本質的なニーズから各階層に3つずつ、合計9つの中分類を設定しています。その際、365日の暮らしのなかで生まれる、誰もが感じる基本的な欲求からしっかり捉えることを重視しました。
一番下の青色の階層「ベーシックマインド(保持)」には、心身の脅威を緩和し現状を維持しようとするための、基本的かつ普遍的なマインドが含まれます。2段目の緑色の階層「アジャストマインド(調整)」は、現状にちょっとした工夫や変化を加えて日々をより快適に過ごしたいというマインドが該当します。そして一番上のオレンジ色の階層「グロースマインド(拡張)」には、社会と繋がりながら、より良い未来を目指したいといったマインドが分類されています。
記事の最後から無料でダウンロードいただける資料では、全9つの中分類を掲載しておりますので、是非ご参照ください。

図1:生活者マインドの構造図

こういった「生活者マインド」と購買との関連を示すモデルが図2です。
まず、円の外側で示している、季節や気象、社会情勢といった生活環境によって、日々生じたり変化したりする「生活者マインド」があります(シャボン玉状のイラスト)。生活環境から影響を受けて生まれたマインドの一部が、「買いたい」という気持ち、すなわち購買動機になっていくと考えられ、この購買動機となるマインドを「トリガーマインド」と呼んでいます。なお「トリガーマインド」は、商材によって異なりますし、季節、社会情勢によって変動すると考えられます。

図2:生活者マインドと購買の関連モデル

ここまでご説明したように、購買の起因となる「生活者マインド」の全体像を把握した上で、自社の商材にとってどれが「トリガーマインド」になり得るのか、また自社商材とどう結びつくのかを深く探り、新たな拡販のチャンスや新しい需要を生み出すご支援をする。それが、クレオのマインド・マーケティングです。
マインド・マーケティングにおける考え方については、「共感を生む「生活者マインド・マーケティング」とは」もご参照下さい。

2.「生活者マインドと購買に関する自主調査(25年9月)」結果の一部ご紹介

ここまで生活者マインドとは何か、それが購買とどう関連するかについての考え方をご説明してきました。クレオがこうした考え方をマーケティングにどのように活用するのか、より具体的にイメージしていただくために、25年9月に実施した「生活者マインドと購買に関する自主調査」の結果を一部ご紹介します。

この調査では、「他の人におススメしたくなった買い物」とその起因となるマインドとの関連を把握するためにインターネット調査を行いました。調査概要は以下の通りです。

【目的】
『他の人におススメしたくなった買い物』の起因となるマインドやその属性差を把握

【対象者】
直近1か月内に『他の人におススメしたくなった買い物』をした全国20~70代男女1,550名※
※性年代別(10歳刻み)で人口構成比割付

【調査期間】
2025年9月26日~29日

【聴取項目】
直近1か月内にあった『他の人におススメしたくなった買い物』について
・その商品・サービス・体験(3つまで)の内容(商品カテゴリー/その具体的内容)
・どんな気持ち(=マインド)でその商品・サービスを利用したか
・「最もおススメしたくなった買い物」を購入・利用したときの具体的な気持ち(FA) 等

最初に、「他の人に最もおススメしたくなった買い物」が何なのか、商品カテゴリーTOP5で見てみます(表1)。
これを見ると、年代共通で「映画・観劇・コンサート」「旅行・レジャー」等の“体験型コト消費”カテゴリ―(表内オレンジ色)、“食”関連のカテゴリー(同水色)、「動画・音楽等のコンテンツサブスク」(同緑色)が多いことがわかります。
ただ内訳を細かく見てみると、20-50代では「映画・観劇・コンサート等鑑賞、スポーツ観戦」が一位なのに対し、60-70代では生鮮食材・基礎食材・調味料が一位など、年代によって若干様相が異なっていました。

表1:『他の人に最もおススメしたくなった買い物』商品カテゴリーTOP5(年代別)


※「体験型コト消費」カテゴリをオレンジ色、「食」カテゴリを水色、「コンテンツサブスク」関連を緑色で着色

次に、「他の人に最もおススメしたくなった買い物」の起因となるマインドについて、同様にTOP5で見ていきます。先述した「生活者マインド」構造図の中分類で色分けすると、「セルフチアアップ」関連項目(表内黄色)、が全般的に多く、「心メンテナンス」(同水色)、「リスク管理」(同緑色)が続いています。
ただ、年代別で見ると、20代は「心メンテナンス」関連項目が比較的多く、30-40代では「頑張るためのエネルギーを得たい」、50-70代では「節約したい」が入るなど、年代によって起因となるマインドは変わってくるようです。

表2:『他の人に最もおススメしたくなった買い物』の起因となるマインドTOP5(年代別)


※「生活者マインド」構造図より中分類「心メンテナンス」を水色、「リスク管理」を緑色、「セルフチアアップ」を黄色で着色

ここまで見てきた、「他の人に最もおススメしたくなった買い物商品カテゴリー」と「購買の起因となったマインド」との関連を、コレスポンデンス分析という手法で可視化しました(図3)。その結果、同じ「食」でも「菓子・デザート」は「他の人を喜ばせたい」、「生鮮食材・基礎食材・調味料」は「季節を感じたい」など、商品カテゴリーによって購買の起因となるマインド、すなわちトリガーマインドが異なっていました。
このように、定量調査で購入実態とその起因となったマインドを聴取することで、商材別にトリガーマインドを把握することが可能となります。

図3:『最もおススメしたくなった買い物』商品カテゴリー×購買の起因となったマインド(一部抜粋)


※直近1か月にあった『他の人に最もおススメしたくなった買い物』について分析

なお、この自主調査では、一日の生活シーン別とその時感じるマインドについても分析しています。
分析結果の一部を、この記事の最後にあるフォームから無料ダウンロードいただける資料に掲載しておりますので、ご関心をお持ちの方はぜひご覧ください。

3.最後に

クレオでは、前述した「生活者マインドと購買に関する自主調査(25年9月)」のような設計で、企業様の商材のトリガーマインドを明らかにし、マインド視点でターゲットを深堀りするソリューション「マインド診断」を提供しています。
「マインド診断」の活用により、トリガーマインドを刺激しやすいシーン、商材の購買利用実態との関連等も把握したうえで、具体的施策のご提案・実施まで一気通貫でご支援することも可能です。
聴取項目や具体的施策のご支援内容につきましては、貴社がお持ちの課題に合わせてカスタマイズ可能ですので、ご関心がおありでしたら是非お気軽にご相談ください。

図4:クレオ「マインド診断」のご支援の流れ

執筆者:東日本マーケティング本部 工藤

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