2023.10.06

生活者研究

歳事・行事

これからの おせち料理~生活者視点で考える~

これからの おせち料理~生活者視点で考える~

歳末・お正月商戦は一年の中でも、大きなマーケットチャンスのひとつです。おせち料理の準備率は6割を超え、お正月を彩る特別な料理として生活に根づいています。おせち料理は伝統的な行事食でありながらも、時代の変化を取り入れて進化もしています。
当記事ではクレオで毎年実施しているアンケート調査と食卓写真調査をもとに、生活者の視点でおせち料理の変化や実態をとらえます。そして、おせち料理がこれからどのように変化するのか、ヒントを探ります。おせち料理に関するマーケティングや販売促進の参考にご覧ください。

1.生活者アンケートからみる おせち料理の変化

①準備率はアップトレンド

2023年のお正月のおせち料理準備率は62.3%でした。コロナ禍の2021年に家ナカ消費の影響で準備率が大きく伸びました。現在は当時より減少してきてはいますが、10年のスパンでみるとアップトレンドといえます[図表1]。
お正月の過ごし方は外出や旅行など多様化していますが、家でおせち料理を食べることはお正月の行事として変わらずに大切にされているのではないでしょうか。

②準備方法の変化

おせちの準備率はアップトレンドですが、準備方法はこの10年でどのように変わったでしょうか。
準備に関する変化をみてみましょう。

●変化1:手作り➡予約セットや単品(既製品)の購入へ[図表2]
おせち料理の準備方法においては手作りが減少傾向ですが、一方でおせちセットの予約、単品(既製品)が増加傾向です。料理に手間ひまをかけたくないという簡便化へのニーズが高まっていることが背景にあるようです。また高齢社会の進行にともないおせち料理をつくるのが大変になった高齢者が増え、おせちセット、単品購入に切り替えていることなども考えられます。

●変化2:味のバリエーションが拡大 [図表3]
おせちセットの予約では和風が人気ですが、10年の推移をみると減少傾向にあります。一方で和洋折衷のおせちが増加しており、味のバリエーションが広がっているといえます。和風や伝統的な具材にこだわらず、好みに合わせて食べたいものを用意するカジュアル志向が反映されていると考えます。

2.食卓写真からみる 新しいおせちスタイル

続いて、おせち料理が並ぶ食卓を写真でみてみましょう。
2023年元日の食卓写真からイマドキのおせち料理のスタイルをピックアップしました。アンケート調査の数字からだけではわからない、リアルな実態をとらえることができます。

①出現頻度の多様化

おせち料理の朝、昼、夕食の食卓への出現頻度は各家庭において様々だということがわかります。

(1)おせちのアレンジは朝・夕を楽しむ[写真1]
朝食は重箱おせち、昼はお雑煮や黒豆、夕食のおせち料理は盛りつけを重箱から皿に変えたり、具材を付け加えるなど一日を通しておせち料理を楽しむスタイルです。

(2)朝1回で完結[写真2]
おせち料理は朝食一食で完結するスタイルもあります。元日の夕食もおせち料理「飽きる」というコメントもありました。

②“つまみ”や“おかず”へ

おせち料理は、かつては正月を祝う料理というイメージがメインでしたが、近年ではおせち料理をお酒のおつまみにしたり、ごはんのおかずにするなど食卓においての位置づけが変化しています。

(1)おつまみおせちで朝からワイン[写真3]
おせち料理は、かつては正月を祝う料理というイメージがありましたが、近年ではおつまみを集めたおせちセットが並ぶ食卓もあります。合わせるお酒は幅広く、日本酒だけでなくワインなども目立ちます。

(2)おせちを朝食のごはんのおかずに[写真4]
かまぼこと伊達巻をごはんのおかずにして、みそ汁を用意する食卓もあります。おせち料理の食材をおかずにすることで、正月らしい食卓が意識できるようです。

③具材の広がり、多様化

伝統的なおせち具材でなくても、“おせち料理”として意識されています。

(1)海鮮をメインに“おせち”を意識[写真5]
コメントには「おせちを意識した」とありますが、メインは海鮮です。年末年始ならではの海鮮食材を取り合わせておせち料理とする考え方が見受けられます。

(2)和風のおせち具材に洋風具材を加える[写真6]
伝統的なおせち料理の中にローストビーフという洋風具材があります。お酒は日本酒です。和洋折衷が違和感なく組み合わされています。

3.まとめ

ここまでアンケート調査と食卓写真からおせち料理の変化をみてきました。現在では一部でも正月らしい華やかさがあれば、おせち料理と考えられるようになり、アレンジやバリエーションが広がっています。
アンケート調査では手作りからおせちセットや単品(既製品)への移行、和洋折衷など味のバラエティ化がとらえられました。食卓写真調査からみえるリアルな元日の食卓では、かまぼこや伊達巻などが単品だけでもおせち料理としてみなされていたり、「おかず(+みそ汁・ごはん)」「おつまみ」といった伝統的なおせち料理のイメージと異なる位置づけとしてとらえられていました。またローストビーフやワインも食卓に並び、和風や洋風の折衷スタイルが広がっています。
おせち料理は伝統的な行事食といえますが時代の変化や生活者の価値観の変化を加味してとらえることで、いわゆる“正月料理”という枠を超えて、思い切った幅広い切り口での提案ができそうです。

無料レポートのお申し込み

本WEB記事内容をまとめた無料レポート(PDFファイル)は以下フォームからお申し込みください。

また、株式会社クレオでは、自社モニターとアンケートシステムを保有し、生活歳事に関する調査の実施と提案をしております。また、調査結果の販売も行っております。無料レポートにはクレオで実施しております生活歳事アンケート調査、食卓写真調査、ギフト写真調査のリストも掲載しております。

転載・引用に関するご案内

1、本ページの記事内容、関連する調査の集計結果、レポート等の著作権は、株式会社クレオが保有します。
転載・引用の際は出典を明記してください。
【出典の記載例】
出典:(株)クレオ 生活行動研究課「これからのおせち料理」記事

2、編集、加工などをしてご利用する場合は、上記出典とは別に、編集・加工等を行ったことを記載してください。

【編集・加工等して利用する場合の記載例】
出典:(株)クレオ 生活行動研究課「これからのおせち料理」記事を加工して作成

一覧にもどる