2023.09.08

生活者研究

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2023年‐2024年 年末年始休暇の動向予測

2023年‐2024年 年末年始休暇の動向予測

2023年-2024年の年末年始はコロナ5類移行後初の正月休みとなります。
昨年から行動制限のない年末年始となってはいたものの、新型コロナウイルス感染症の第8波と重なったこともあり、正常化には至っていませんでした。
では、2023年-2024年の年末年始の動向はどうなるのでしょうか。
このような大型連休の動向予測にあたっては直近の社会情勢、生活者の行動やその行動の要因となっている「気持ち」を把握することが重要です。
当記事ではこれらの視点を踏まえ、2023年-2024年の年末年始の動向を予測し紹介します。
ぜひ企画立案の参考としてお役立てください。

1、2023年のお盆動向

2023年-2024年の年末年始の動向を予測するにあたり、同じく新型コロナウイルス感染症の5類移行後初の大型連休となった2023年のお盆の動向を見てみたいと思います。
2023年のお盆期間の鉄道・高速・航空の交通動向はコロナ前比(2023年と同じ曜日まわりの2017年比)で国内は約8割~9割、海外は約7割となりました。コロナ前と同水準にまで回復することが期待されていましたが、そこまでの回復には至りませんでした。
回復を阻んだ最も大きな要因としては8月15日に上陸した台風7号があげられます。東海道新幹線や山陽新幹線が運休になったほか、在来線にも影響が出て、特に西日本における帰省や旅行の足を直撃しました。

お盆期間中に円相場は今年の最安値となり、レギュラーガソリンの店頭価格は15年ぶりの高値となりました。断続的に続いている食品の値上げも、生活者が「インフレ」を実感しやすい日配品を中心に値上がりしており、今年のお盆期間の家計環境は厳しいものとなりました。
しかし、北海道や沖縄など遠方への旅行者が増えたといった報道も出ており、出費全般に高物価を記録した割には、旅行レジャーの消費は堅調だったと言えるのではないでしょうか。

2、年末年始の環境与件

(1)年末年始までの経済環境
食品の値上げ動向、外国為替市場の円相場、ガソリン価格、宿泊費、レジャー施設代の年末年始までの見通しは下記の通りです。
家計環境は2023年-2024年の年末年始時期も厳しい状態となりそうです。

(2)生活者の意向
■1月の気持ち
下記のワードクラウドは、当社が実施した生活者価値観調査で生活者に「1月の好きなところ」を自由回答で聴取した内容をテキストマイニングした結果です。頻出度の高い言葉ほど文字が大きく表現されますが、1月におけるポジティブな気持ちとしてあがる言葉は「正月」にまつわるものが数多いことがわかります。関連して出ている内容としては「家族団らんが楽しい」「孫と久しぶりに会えて嬉しい」などがあり、家族とコミュニケーションをとることに喜びを感じている人が多いことが伺えます。

■2023年-2024年の年末年始に向けての意向
続いて、2023年-2024年の年末年始に向けての生活者の意向です。年末年始の過ごし方予定を当社のアンケートで聴取したところ、外食やレジャー、旅行など外出系の項目がコロナ前の2019年-2020年の年末年始実績と同水準になりました。

■物価高の中でもお金をかけていること
年末年始に対して、生活者の前向きな姿勢が伺える一方で、円安や物価高により2023年-2024年の年末年始時期も家計環境は厳しい状況が続くことが見込まれます。
このような物価高の中、生活者の消費に対する意識はどうなっているのでしょうか。当社が2023年8月に実施した生活者動向調査の結果から見てみます。最も節約しているのは「外食代」となっていますが、全体で見ると、余暇娯楽費よりも主に日常生活における出費を抑えようとしている傾向が見られます。また、物価高の中でのお金の使い方に関する意識を見ると、「節約するものと奮発するもの、メリハリをつけて使っている」が最も高く45.0%でした。節約一辺倒よりも消費にメリハリをつけている人が多く、やりたいことには出費する消費傾向になっていると推察します。

3、2023年-2024年の年末年始動向予測

社会情勢としては、2023年-2024年の年末年始時期も物価高が続くことが見込まれ、家計負担が大きいことから、従来であれば節約志向が働き、<安近短>な過ごし方が選択されていたかもしれません。しかし、価格が高くても遠方への旅行に行っている今夏のお盆動向や、節約一辺倒ではなくメリハリをつけた消費をしていること、年末年始を楽しみたいモチベーションがあることから、<価格の安さ>以上に、<楽しめる価値をいかに伝えられるか>が年末年始の消費を左右しそうです。
なお、2023年-2024年の年末年始休暇は、同じ曜日回りである2017年-2018年の年末年始の動向から推測すると、6連休の人が多くなることが見込まれます。また、帰省や旅行の出発ピークは12月30日頃、Uターンラッシュのピークは1月2日になりそうです。生活者が動くタイミングも押さえて提案できると良いでしょう。

おわりに
継続する物価高の中でも、行いたい気持ちが高いものには出費をする、という生活者の消費性向が見られることから、その時々の気持ちをしっかり押さえ、その気持ちに合った価値を提示することが今後はますます重要になっていくと考えます。
当記事は当社発行の「生活者マインド大全2024」を活用して構成しております。年末年始の他、各月の特徴や主な歳事動向、2024年生活に影響する出来事(法律やイベント)、生活者の意向など、2024年の生活者を捉えるうえで必要な情報が網羅されている一冊になっております。ご興味のある方は下記サイトに書籍の詳細を紹介していますので、ぜひご覧ください。

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出典:(株)クレオ 生活行動研究課「社会概況と生活者マインドから2023年‐2024年 年末年始のマーケットチャンスを予測」記事

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出典:(株)クレオ 生活行動研究課「社会概況と生活者マインドから2023年‐2024年 年末年始のマーケットチャンスを予測」記事を加工して作成

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