2022.10.03
未来予測
販促・マーケティング
2023年 生活者の価値観キーワードを予測する
2022年もあと約3か月となりました。
2023年の事業計画や年間計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
生活者に自社の売り場・商品・サービスを選んでもらうためには、生活者の行動・ニーズ・価値観をしっかり把握し提案していくことが重要です。そして、目まぐるしく変化する昨今、現状の実態把握だけではなく、今後どのような行動・価値観が生まれそうかを予測し、先を見越した提案をすることが重要となります。特に2023年は、世界情勢の不安定さ、物価高・エネルギー高、環境問題とSDGsの浸透、Z世代など新しい価値観を持った世代の台頭、ITの進化など、生活や価値観に影響を与える社会変化が多く生まれています。新たな時代の始まりともいえる年となりますので、しっかり変化をおさえおきたいところです。
株式会社クレオでは、毎年10月に翌年の流行や変化を捉えた「生活行動カレンダー」というマーケティングブックを発行しています。社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しい暮らし行動を、生活者の立場に立った”生活者視点”で描いているのが特徴です。その中で生活価値観がどのように変化するかを予測し、キーワードとしてご提示しています。
当記事では、2022年10月3日(月)発行になります「23生活行動カレンダー」をもとに2023年がどのような年になるのか、提案のポイントはどこにあるのか、一部ご紹介します。
2023年生活者の価値観の捉え方
クレオでは様々な情報の中から「今までから今後も続くもの」、「これから更に大きくなると予測されるもの」、「2023年ならではの事象」を踏まえて、2023年価値観キーワードとそこから派生する消費、生活スタイル、価値観、社会などのより細かい7つの切り口で提示しています。
ではまず、2023年を考えるためにひとつずつ整理していきましょう。
1.「今までから今後も続く」こと
●コロナ禍を経て、テレワークをはじめとする働き方改革や、家での暮らしを充実させる
動きが広がり、生活スタイルが変化。
●地球環境や社会問題に対する危機意識の高まりから、SDGsの考え方が浸透。
●団塊世代が後期高齢者に突入し、次の消費を担う世代としてZ世代が台頭。
2.「これから更に大きくなる」と予測されること
●人口減少・少子化・高齢化が深刻化していき、介護費や医療費の増加や労働力減による経済力の低下などが
顕在化。社会の仕組みの整備が求められていく。
●昨今の異常気象や災害、世界の食糧事情、資源枯渇の危機などを受け、環境保全意識がより高まる。
2030年にはSDGs目標の達成、2050年には脱炭素社会の実現が目指されている。
●上記のような社会課題を解決し未来の生活基盤を整えるためには技術の進化・活用は必須と言え、
2025年の大阪万博は、新しい技術や商品が生まれる場として注目されている。
3.「2023年ならでは」の事象
●働き方改革、家でのくらしの充実、SDGs、Z世代などは継続して注目。
●「こども家庭庁」の発足やミレニアル世代とアルファ世代親子の台頭などさらに新しい世代・生活者への
関心高まる。
●メタバースやデジタル田園都市国家構想など新たな領域や仕組みがより活用される。
以上より、今後の不確かな社会に不安が増す一方、「次世代につながる希望ある社会を創造する」という生活者の能動的な意識が強まり、活発化し始める年といえます。
2023年の生活価値観キーワード
2023年の価値観キーワードは「創環社会」です。
生活者が、環境の「環」と人の「環」を創っていくことで、次世代につながる希望ある社会を創造していくという意味を込めています。
環境の「環」は、リサイクル、リユース、シェアなどの循環型経済を指します。
「環境」に配慮している、ということはビジネスの基本となります。生活者も企業も地域もWin×Win×Winになる仕組みが求められ、循環型経済の一翼をどのように担っていくのか、ということが課題となっていくでしょう。
人の「環」は人と人、人と企業、人と地域など人を軸としたつながりを指します。そして、そのつながりの基準はスペックや利害関係ではなく、自分自身が大切にする想いと共鳴するかどうかです。それぞれの価値観や想いを伝え合い認め合うことで人の「環」は生まれます。
この2つの「環」を創る力が、未来につながる社会を切り開く力となっていくでしょう。
価値観キーワードから考える2023年のマーケットチャンス
生活行動カレンダーでは、2023年の価値観キーワード「創環社会」から派生する消費、生活スタイル、価値観、社会など、より細かい7つの切り口をご紹介していますが、当記事では、その中のひとつ「ニッポン・レジリエンス」についてご紹介します。
「インバウンドの誘致とロイヤルティの醸成が、日本経済の回復と日本の価値の掘り起こしにつながるというインバウンドの視点」と、「日本の風習や歳事、飲食の新しい価値を創出することが新たなマーケットと顧客の創出につながるという若者の視点」の両面から2023年のマーケットチャンスが広がると考えます。
特に注目されるのは、日本の風習・歳事での若者視点による日本の新たな価値創造です。 例えば以下のように考えていくことができます。
●伝統文化の敷居を低くし、若者が楽しめるようにすることでマーケットを広げる。
事例:低価格の浴衣、アニソンやJ-POPの曲を使った盆踊り
●SNSや若者起点で掘り起こされた伝統歳事を多世代にも展開。
事例:「重陽の節句(9/9)」。現在はあまり実施されないが、若者の間ではSNSで話題。
●日本の旬に改めて目を向けることで新たな機会の創出につなげる。
事例:「初搾り」。ダウントレンドの「ボージョレ・ヌーボー」に代わる11月のマーケットとして、
世界で注目されている日本酒を訴求。
いつもの行事・風習も、若者・海外視点を取り入れることで新たなマーケットを創造することができるのではないかと考えます。
おわりに
以上、生活者価値観はどうなるのか、考えられるマーケットチャンスについて解説してきました。2023年を考える一助となったでしょうか。
当記事の基になります「生活行動カレンダー」には、ご紹介した内容に加えて更に6つの切り口についてもご提案しています。これからの新しい時代の要素を掴み、2023年を捉えるために役立つ内容となっています。ぜひ、こちらもご活用いただき2023年のマーケットチャンスを掴んでいただければと思います。
「’23年生活行動カレンダーのご案内」※2022/10/3より発売開始
40年にわたり「生活者」を見続け、研究してきた弊社独自のマーケティングブックです。
当記事でご紹介した2023年を捉えるための価値観キーワードや事象の分析に加え、販促計画を考える上で必須となる12カ月の特徴や変化、提案ポイントを網羅しており、2023年マーケットチャンスを1冊で掴むことのできる唯一無二の書籍となっています。
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出典:(株)クレオ 生活行動研究課「2023年の生活者価値観・潮流」
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出典:(株)クレオ 生活行動研究課「2023年の生活者価値観・潮流」を加工して作成