2021.12.24
生活者研究
時事・トレンド
生活者アンケートから読み解く!脱プラスチック・SDGsの取り組みポイント
2021年も残すところあとわずかとなりました。今年は、環境配慮をはじめとするSDGsの気運の高まりが感じられる一年となりましたが、2022年4月には、プラスチック廃棄物の削減を目的とした法律「プラスチック資源循環法」の施行が予定されています。
“脱プラスチック”や“SDGs”の取り組みについて触れる機会は増えていますが、生活者はこのトピックスに対し、どれくらい関心を持ち、行動しているのでしょうか。行動を起こしていない人は、何がボトルネックとなっているのでしょうか?また、企業の“脱プラスチック”“SDGs”の取り組みに対し、どんな印象を持ち、どんなものに関心を寄せているのでしょうか?
株式会社クレオでは、「脱プラスチック・SDGsに関するアンケート」を実施しました。本レポートでは、
“脱プラスチック”や“SDGs”に取り組まれる小売業様・メーカー様・サービス業様向けに、
アンケート結果から見える取り組みのポイントを、いくつかピックアップしてまとめています。ぜひ、今後のお取り組みにお役立てください。
また、本レポートに掲載していないアンケート結果も、無料レポート・有料データにてご用意しております。ご興味ある方は最下の【お申込みフォーム】からお問い合わせください。
目次
【1】“脱プラスチック商品”について(実態と意向)
「プラスチック資源循環法」は、プラスチック廃棄物の削減を目的とした法律です。この法律において、政府は企業に対し、プラスチック製品の設計を環境配慮型に切り替えることや、ストローやフォークなどプラスチック製品使い捨ての削減等を求めています。そのため、多くの企業様が今まさにその対策を進められていることと思います。
そのことを踏まえ、このレポートではまず、各企業様の脱プラスチックに向けた取り組みの一つである「脱プラスチック商品」についての生活者の実態と意向を見ていきたいと思います。
はじめに、“脱プラスチック商品”について、『日常的に購入しているもの』と『今後購入したいもの』が何かを調査しました。
『日常的に購入しているもの』 では、1位は「プラスチック代替素材を使った商品」、2位は「再生プラスチック素材を使った商品」、3位は「容器を繰り返し使う商品」となりました。
『今後購入したいもの』では、1位は「プラスチック代替素材を使った商品」、2位は「再生プラスチック素材を使った商品」、3位は「ラベルレス商品」となりました。
「プラスチック代替素材を使った商品」と「再生プラスチック素材を使った商品」は、 『日常的に購入しているもの』『今後購入したいもの』の両方で上位にランクインしています。
「ラベルレス商品」は、商品数がまだ多くないため身近に感じられないことが影響してか、日常的に購入している人は2割程度であるものの、今後購入したい人は約4割となりました。「プラスチック製トレーを使用しない商品」も、同様の傾向が見られます。
これらのことから、「プラスチック代替素材を使った商品」「再生プラスチック素材を使った商品」「ラベルレス商品」 「プラスチック製トレーを使用しない商品」の4商品は、今後も生活者の購入意欲が高い商品であることが分かり、“脱プラスチック商品”の中でも引き続き求められる商品群と言えそうです。
一方、『今後購入したいもの』の5位以下は、「容器を繰り返し使う商品」「食べられるカップ(容器)・ストローなどの商品」「容器持参の量り売り商品」となっており、約2~3割台の結果でした。これらの商品の購入意向率が他と比較し高くなかった理由として、“衛生面の不安”が大きな要素としてありました。そのため、これらの商品展開を考えるにあたっては、このボトルネックを払拭する情報発信等がポイントとなりそうです。
【2】“脱プラスチックを促進するための施策”についての意向
続いて、店舗や施設等において、展開が多く見られたり、今後取り組みが加速すると思われる“脱プラスチックを後押しするサービス(施策)”について、生活者の意向を見ていきたいと思います。
『今後、賛同・利用したいもの』 の1位は、「プラスチック製カトラリーやストロー等の辞退による、値引き」。2位は「プラスチック製カトラリーやストロー等の辞退による、ポイント付与」、3位は「プラスチック製ハンガーの返却による値引き」。4位は「プラスチック製ハンガーの返却によるポイント付与」となりました。
これら上位にランクインした項目を踏まえると、 やはり“実質的に値引き”がされるサービス(施策)が、比較的高い割合で支持されていると言えます。
しかし、それらに次ぐ割合で、5位には「プラスチック製カトラリーやストロー等の辞退の推進」がランクインし、3割以上の人に支持されています。この調査結果は「プラスチック資源循環法」施行前の現段階での数値ですので、レジ袋有料化の時のように法律施行後は、“辞退することがあたりまえ”のような雰囲気が醸成されれば、プラスチック製品辞退への抵抗感はどんどん薄れていくことが予想されます。
ここまで、“脱プラスチックの取り組み”についての生活者の実態・意向を見てきました。
次からの章では、“脱プラスチック”も含めた“SDGsの取り組み”についても、生活者の実態・意向を見ていきたいと思います。
【3】“SDGs商品”についての意向
まず、店舗やメーカー様が提供する“SDGsにまつわる商品”について、『今後購入したいもの』が何かを調査しました。
1位は「脱プラスチック商品」、2位は「環境を守る認証マークがついた商品」、3位は「販売工程における環境への負荷を削減した商品」でした。この傾向から、 SDGsにまつわる商品の中でも、“環境配慮型の商品”は特に支持率が高い傾向にあると言えます。
このように、「脱プラスチック商品」に加え、「環境を守る認証マークがついた商品」「販売工程における環境への負荷を削減した商品」をはじめとする“環境配慮型の商品”が特に生活者の需要が高いため、 SDGsにまつわる商品展開(商品開発や取り扱い)において、注力すべき商品群と言えそうです。
【4】“SDGsの取り組み”について(実態と意向)
続いて、店舗やメーカー様が推進する“SDGsを推進するサービス(施策)”について、生活者の実態と意向を見ていきたいと思います。
『参加・利用したことがあるもの』では、1位は「リサイクル・リユースの取り組み」、2位は「環境に配慮した商品提供」、3位は「SDGs達成につながる商品購入が参加条件のキャンペーン」となりました。
『今後、参加・利用したいもの』でも、同様の順位です。
また「SDGsにちなんだメニュー提案」や「環境に配慮された店舗」といった取り組みは、今後伸びしろが期待できる(参加・利用したことはないものの、今後は参加・利用したいと思う人が多く、伸長率が高い)ため、注目すべき取り組みと言えそうです。
一方、 「SDGsについて学べるイベント・ワークショップ」は、『参加・利用したことがあるもの』と『今後、参加・利用したいもの』共通で、最下位となりました。今後も参加しない意向の人の意見としては、「コロナなので人の集まるものに参加したくない」や「出かけるのが面倒」といった声が多くありました。そのため今後の展開においては、オンラインでの実施が有効と考えられます。
【5】“SDGsに取り組む企業・団体への印象”について
【3】や【4】でSDGsにおける企業の取り組みについて触れてきましたが、こういった取り組みは生活者に対し、どのような印象を与えるのでしょうか。
“SDGsに取り組む企業・団体への印象”について聞いてみたところ、「応援したいと思う(積極的な商品購入・来店・サービス利用・株式購入・寄付など)」人の割合(とてもあてはまる、ややあてはまる)は、5割以上。「好意を持つ」では、6割近くとなりました。
SDGsは世界の為に必要な目標ではありますが、SDGsに取り組むことは、企業のファンを増やすための重要な要素であるとも言えそうです。
【6】おわりに
“脱プラスチック”や“SDGs”の取り組みは、「プラスチック資源循環法」の施行や2030年に向けて、今後も加速されるかと思います。今回のレポートでは、それらに取り組まれる際のポイントを、いくつかご紹介させていただきました。
この内容はほんの一例にすぎませんが、“脱プラスチック”や“SDGs”のお取り組みを成功させていくには、やはり生活者の心をいかに動かし巻き込んでいくかが重要です。
株式会社クレオでは、生活者のマインドを把握して需要を予測・行動を起こしてもらうためのポイントを探る調査から、取り組みのプランニング、ハードのご提供まで、一気通貫のご提案が可能です。特に、今回ご紹介内容の環境配慮やSDGs貢献に繋がる各種プランニング、販促物・ツール等のご提案も可能となっております。ご相談に応じたサポートをしてまいりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
<調査概要>
「脱プラスチック・SDGsに関するアンケート」
調査対象:全国男女
有効回答者数:3,000人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年11月20日~24日
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[本記事未掲載のデータ内容]
●脱プラスチック商品の “ボトルネックとなっていること” と “展開のポイント”
➙「食べられるカップ・ストローなどの商品」「容器持参の量り売り商品」「容器を繰り返し使う商品」について
●SDGsを促進するサービス(施策)の “ボトルネックとなっていること” と “展開のポイント”
➙「SDGsにちなんだメニュー提案」について
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1、本ページの記事内容、関連する調査の集計結果、レポート等の著作権は、株式会社クレオが保有します。
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【出典の記載例】
出典:(株)クレオ 生活行動研究室「脱プラスチック・SDGsに関するアンケート」
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【編集・加工等して利用する場合の記載例】
(株)クレオ 生活行動研究室「脱プラスチック・SDGsに関するアンケート」を加工して作成
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