2021.04.08
生活者研究
時事・トレンド
コロナ禍の東京オリンピックにおける販促ポイントは?観戦スタイルから徹底予測!
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)の開催可否について、SNS、メディア、国会など、さまざまなフィールドで論争が起こる日々が続いています。オリンピックの開催有無で影響を受けることが予測される業界の皆様はヒヤヒヤされていることと思います。
開催される場合は、現在リモートワークが増加している背景もあり、家で観戦をする人が多くなりそうです。
本記事では、東京五輪が開催されると想定し、「東京オリンピックに関する意識調査結果」と大会スケジュールから、特に流通・小売・メーカー業向けの東京五輪期間における『おうち観戦』のマーケットチャンスをまとめました。
まだ販促準備が整っていないようでしたら、是非ご参考ください。
<調査概要>
調査名:東京オリンピックに関する意識調査
調査対象:全国男女
有効回答者数:3208人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年1月24日~2月4日
目次
東京五輪開催に対する気持ち(楽しみ⇔不安)
Q.東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに対する、あなたの今のお気持ちに近いものをお選びください。(いずれか1つ)
・東京五輪開催に不安な人は過半数。
・特に女性やシニア層で不安感が強い。
・地方でも首都圏と不安感は変わらない。
東京五輪に対して不安な気持ちを抱いている人は過半数を超えました。一方で、楽しみにしている人は3割弱に留まりました。
アンケート回答期間は、新型コロナウイルス感染症の第3波により、首都圏・関西圏を中心に緊急事態宣言下にありました。特に女性や60代で不安と答えた人が6割を超え、他の属性よりも高くなりました。首都圏以外のエリア居住者でも、不安と答えた人が過半数を超え、首都圏エリアの居住者と大差がありませんでした。
全国的に東京五輪開催に対する不安な気持ちが連鎖してきていることが分かりました。
東京五輪開催中の不安要素(開催される場合)
Q.東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることで、不安なことはありますか?(いくつでも)
・首都圏では、コロナの感染拡大に対する不安に加え、交通機関の乱れも懸念。
東京五輪開催について不安に感じることは、「新型コロナウイルスの感染拡大」が圧倒的に高く8割弱に達しました。続いて「犯罪の増加・テロの発生」「新型コロナウイルス以外の感染症拡大」「道路や交通機関の混雑・混乱」と続き、いずれも2割台となっています。
また、首都圏在住者でみると、「道路や交通機関の混雑・混乱」が34.6%と、「新型コロナウイルスの感染拡大」に続き2番目に高い割合となり、交通機関の乱れ・混乱が懸念されています。
東京五輪開催中の勤務形態(開催される場合)
Q.【有職の方】あなたは、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中、どのような勤務形態にしようと思いますか?(いくつでも)
・首都圏では地方よりも在宅勤務意向者が多い。
有職者のうち、東京五輪開催中の在宅勤務意向者の割合は、首都圏在住者で4割弱、首都圏以外在住者で2割弱となりました。
首都圏では在宅ワークが今よりも一層推奨され、首都圏在住者を中心に在宅勤務が多くなると推測されます。
東京五輪 観戦意向(開催される場合)
Q.あなたは、東京オリンピックが開催される場合、どこで観戦したいですか?(いくつでも)
※「観戦しない」を選択しなかった人の割合=「観戦する」の割合 として再計算しています。
・不安が見え隠れする中でも、7割の人が観戦予定。
東京五輪を観戦する予定の人は7割を超えました。開催に不安な気持ちが見え隠れするものの、開催されるのであれば、観戦したい人が多いようです。特にシニア層や既婚女性で、観戦したい人が多くなっています。子どもと一緒に楽しみたいママや、子供が自立し時間に余裕があるシニア層で観戦意向が強くなっているのかもしれません。
東京五輪 観戦場所(開催される場合)
Q.あなたは、東京オリンピックが開催される場合、どこで観戦したいですか?(いくつでも)
・観戦場所は「家」がほとんど。
東京五輪を「家」で観戦する人は7割弱に達しました。特に、シニア層や既婚女性で、「家」で観戦する割合が高くなっています。各企業は『おうち観戦』に向けた訴求が求められます。
一方で、若年層は「会場・競技場」での観戦が、他の属性よりもやや高く1割弱(9.6%)に達しました。会場でリアル観戦したい意向がやや強いようです。
観戦したい東京五輪人気競技ランキング
Q.【東京オリンピックを観戦したい方】あなたが観戦したいオリンピックの競技・種目は何ですか?(いくつでも)
・「開会式」が一番人気。次いで「マラソン」「閉会式」と続く。
・その他人気競技は、「陸上競技」「競泳」「体操競技」「柔道」「野球」「卓球」「サッカー」等。
・今大会からの新競技の中で一番人気は「空手」。
東京五輪観戦予定の人が観たい競技・種目(開会式・閉会式含む)では、「開会式」がトップとなり、6割以上の人が観たいと答えました。
ランキング2位以降は、「マラソン」「閉会式」と続き、いずれも4割を超えています。その後トップ10位までをみると、「陸上競技」「競泳」「体操競技」「柔道」「野球」「サッカー」等、人気スポーツが並びました。また、今大会からの新競技の中では「空手」が一番人気でした。
ポイントまとめ
・コロナ禍の東京五輪期間は『おうち観戦』マーケットに商機あり!
・開会式や人気競技のメダル争いの大会スケジュールから想定し得る、観戦シーンに合った商品・サービスの需要が高まりそうだ。
コロナ禍における東京五輪開催に対して不安な気持ちが見え隠れするものの、開催されれば多くの人が家で観戦を楽しむと考えられます。
そのため、開催期間中は『おうち観戦』マーケットに商機がありそうです。
東京五輪の開会式は21年7月23日(金)20時開始を予定しています。当日夕方までに買い物を済ませ、自宅で開会式を楽しむ人が多いと推測されます。どの属性でも観たい割合が高いので、ハレの日の楽しみ方と同じように、「おうちパーティスタイル」で、家族全員で楽しむ家庭が多いかもしれません。
人気競技の体操競技、柔道等は、開催期間中の平日17時以降の時間帯に決勝戦が集中します。休日だけでなく、平日のアフターファイブの「まったりおうちチル観戦」を楽しむ人も多そうです。
また、『おうち観戦』でもリアルな臨場感が味わえる「おうちスタジアム」の環境を整える消費も期待できます。
さらに、日本選手が活躍した競技や今大会からの新競技については、五輪開催後も関連マーケットが大きく成長することが期待されます。
東京五輪開催に対して、生活者の不安な気持ちが見え隠れするものの、開催されれば多くの人が『おうち観戦』を楽しむと推測されます。人気競技の大会スケジュール、新競技の動向、日本選手の活躍状況等を把握することが、東京五輪期間の商戦に向けたポイントになりそうです。
※東京五輪のスケジュールは、4月8日時点で確認出来た内容です。予定が変更になる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
※一部、弊社が発行する「’21生活行動カレンダー」の「注目事象」のページから引用しています。「’21生活行動カレンダー」のお申し込みはコチラから!
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出典:(株)クレオ 生活行動研究室「東京オリンピックに関する意識調査」
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(株)クレオ 生活行動研究室「東京オリンピックに関する意識調査」を加工して作成
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