日本は「ポイント大国」といわれています。小売店や飲食店独自のもの、業種・業態の垣根を超えた共通ポイント、ネットショッピングやクレジットカード、マイルなど、あらゆるモノ・コトに付随したポイントがあり、矢野経済研究所によると国内のポイントサービスの市場規模(ポイント発行額ベース)は、2019年度で2兆69億円まで拡大した(※)とされています。
※出典：株式会社矢野経済研究所「ポイントサービス市場に関する調査(2020年)」（2020年8月5日発表　https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2488 )

また、コロナ禍においては外食控えや在宅時間が多かったこともあり、近所のスーパーやコンビニ、ネットショッピング等の利用金額も増えたりして、ポイントがたくさん貯まった人も多いのではないでしょうか。

そんななか、2022年はとにかく「値上げ」の年。これまで貯まったポイント分を、すべて打ち消してしまうような勢いのまま、値上げの波が収まりません。原油高や円安、原材料価格の高騰や人件費の上昇等が要因ですが、なかでも食品の値上げは年内に1万品目に及ぶそうです。総務省統計局公表の今年4月の「全国消費者物価指数」は7年ぶりに前年同月比2％台に乗せ、5月も同程度となり2カ月連続の上昇幅を記録。その一方で、厚生労働省公表の今年4月の「毎月勤労統計調査」では、物価上昇分を加味した実質賃金は前年同月比で1.2％減少となり、生活防衛意識は今後も高まっていきそうです。

そうなると、せっかく貯めたポイントは、失効させることなく大事に使いたいものです。
ただ、毎日のように利用する様々なポイントサービスのなかには、「とある月に獲得したポイントの有効期限は、翌年同月末日」と設定されているものもあり、こうしたポイントサービスは、毎月末に有効期限となるポイントの存在に注意していないと、とついうっかり失効してしまいがちな人も少なくないのではないでしょうか。

ポイントの利用方法としては、利用代金から値引きをすることが大半ですが、スーパーなどの小売業ではたまに景品等と交換できる「ポイント交換」企画が実施されています。とはいえ、期限が切れないうちに定期的に値引き利用したり、またはポイント交換に申し込んだりと、ポイントを使用することに意識的・意欲的でなければ、どうしてもポイントを貯めっぱなしにしがち、なんてこともあると思うのです。

そこで今回は、ポイントを貯めっぱなしにして、ついうっかり失効しがちな人をターゲットに、日ごろ頻度よく利用するスーパーやコンビニなど、ポイントを提供している小売業を舞台とした企画を考えてみました。

要点は、「一度は失効してしまったポイントの救済措置」です。失効したポイントの一部だけでも、生活者にも小売業にもメリットがある形で、なにかに転換できないだろうかと発想し、そこでポイントと同じくやりっぱなしの人も多いであろう「ローリング・ストック」に着目。防災備蓄品を定期的に使用・補充する備蓄方法ですが、こうした備蓄品のほとんどは小売店でも常時販売されています。であれば、「うっかりポイントを失効した時の救済措置として防災備蓄品と交換できる」というサイクルがあれば良いのではと考えました。

小売業においては、来店頻度維持等のFSPを主目的にポイントサービスを展開していますが、買い物客に付与したポイントの「償還」をしていくことも重要と聞いたことがあります。その意味では失効すれば、それはそれで良いのかもしれませんが、こうした企画があればその店舗を利用する魅力にもつながって、利用促進やポイント償還促進の新たな仕組みになればいいなと思います。

この企画に限らず、今回のようなアイデアや発想をもって、生活者にとっても、事業者にとっても新たな利点が生まれるようなPLANを立案しますので、どうぞお気軽にご相談ください！