「次の角を右に曲がって」「左にあるものを取ってきて」といった一般的にはよく使われる言葉に、戸惑いを感じる人がいることをご存じでしょうか。この企画は、左右の判断がとっさにつきにくい「左右識別困難」という特性に着目したものです。体験を通して「左右に頼らない伝え方」を学び、伝え方を少し工夫することで困っている人が少しでも減ればいいなと考えました。
まだあまり知られていない「左右識別困難」という特性
「左右識別困難」とは、左右の判断に数秒かかったり、とっさに判断できなかったりする特性で一定数存在しています。しかし、その認知度はまだ高いとは言えません。
実は私自身も、左右識別が難しい当事者の一人です。日常生活の中で、方向や位置の判断を即座に求められる状況に対し、戸惑いや焦りを感じてきました。理解してもらえないまま場が進んでしまうことや、自分だけができていないのではないかと感じてしまう瞬間も少なくありません。
特に、車の運転中の口頭指示や、急いで物を取るよう頼まれた場面、視力検査で方向を答える場面など、日常のささいなシーンで困難は顕在化します。しかしその多くは周囲には理解されにくく、「おっとりしている」「うっかりしている」と受け取られてしまうこともあります。その結果、悩みを抱えていても打ち明けづらく、周囲からの配慮やサポートにつながりにくい状況が生まれています。
「左右識別困難」にやさしい世界を作るには
「左右識別困難」にやさしい世界をつくる第一歩は、この特性の存在を知ってもらうことです。しかし、知るだけだと多くの方は日常的に「右・左」という言葉に慣れているため、いざ別の言い方をしようとしても、すぐに思いつかないのが実情です。
そこでこの企画では、「左右の言い換え方」に着目しました。見えているもの、色、形、位置関係など、視覚情報を手がかりにした伝え方を学ぶことで、左右識別困難のある人だけでなく、誰にとっても伝わりやすいコミュニケーションが実現できると考えています。
体験型ゲーム『あっちむいて GO!』
『あっちむいてGO!』は、「右」「左」という言葉がわからないキャラクターに対し、別の言葉に言い換えて道案内を行い、ゴールを目指すゲームです。参加者は、画面内にあるヒントをもとに、「リンゴが落ちている方を向いて」「赤い看板が見える方向に進んで」など、「右」「左」に頼らない表現を考えながら指示を出すことで、遊びながら自然に“言い換える力”を身につけることができます。
このゲームは、小中学生を対象とした啓発イベントでの実施を想定しています。幼い頃から「左右識別困難」の存在や、「右」「左」以外の伝え方があることを知ってもらい、「みんな同じように見えても、実は同じではないことがある」と気づく機会をつくります。
また、ダンス教室、スポーツ教室、ゲーム会社、自動車教習所など、日常的に左右を多用する企業・団体が主催者となることで、誰にとってもわかりやすい伝え方を実践する姿勢を社会に発信することができます。
『あっちむいてGO!』を通して、「左右識別困難」の認知と理解にとどまらず、「左右に頼らない言い換え」が広がり、困りごとに直面する瞬間が少なくなる社会につながればと思います。企画書をご覧いただき、今回のアイデアに興味をお持ちの企業の方、今回以外のテーマでも新たなアイデアを検討したいという事業者の方などがいらっしゃいましたら、ぜひご相談・お問い合わせください。