――「やばい!予定に遅れるかも・・・」 普段電車を利用する方の多くが、電車遅延でこのように感じた経験があるのではないでしょうか? 毎日のように、どこかの路線で発生している電車遅延は、 自分だけの問題ではなく、ときには長時間にわたって、誰かを待たせてしまうことも・・・。 そこで今回は、電車遅延で“待たせてしまう時間”を“価値あるひととき”に変えるプランをご提案します。
――電車遅延が生む“申し訳なさ”という感情
「6,929件」――この数字が何を示しているかご存じでしょうか?
これは国土交通省が発表した「令和4年度の輸送障害(列車の運休、旅客列車の30分以上の遅延等)」の件数です(※)。つまり、1日平均に換算すると、全国のどこかで約19件の輸送障害が、毎日発生している計算になります。
普段、通勤や移動で電車を利用する自分にとっても、5分・10分の電車遅延は“よくあること”という認識でしたが、この件数の多さには正直驚きました。特に30分以上の遅延となると、ただの「ちょっとした遅れ」では済まされず、予定が狂い、人との約束に影響を及ぼす問題になります。
電車が遅れることで、自分が目的地に遅れるだけでなく、待ち合わせ相手を待たせてしまう。その事実が、心に“申し訳なさ”を生み出します。電車遅延は自分のせいではないし、相手が怒っていないことも分かってはいる。でも、「待たせてごめんね」という気持ちは、多くの方が自然と抱くものではないでしょうか?
この「ごめんね」は、単なる謝罪ではなく、相手を思う気持ちから生まれる“やさしさ”の表れだと思います。
だからこそ、電車遅延という避けられない出来事に対して、もっと前向きで、心地よい形で気持ちを伝えられる仕組みがあってもいいのではないかーーそんな思いから今回のプランを考え始めました。
――どうせ変えられない時間なら、“価値あるひととき”
電車遅延によって生まれる“待ち時間”は、誰にとっても避けられないものです。だからこそ、その時間をただ過ごすのではなく、少しでも価値あるひとときに変えてもらいたい。そんな考え方が、この企画の出発点です。
待たせてしまう時間に対して、「ごめんね」で終わらせるのではなく、「待ってくれてありがとう」へと変換する。
つまり、電車遅延によって生まれた“ネガティブな時間”を、“ポジティブな時間”として返すことができれば、遅れた側の申し訳なさも、待っていた側のモヤモヤも、少しだけやわらぐのではないか。そんな双方にとって心地よいコミュニケーションの仕組みを構築できるのではないか。と考えています。
――待ち時間をそのままギフトに変える「Giftoki」
今回の企画の軸となるのは、「電車遅延によって待たせてしまう“時間分”を、そのままギフトに変換する」というアイデアです。サービス名は「Giftoki(ギフトキ)」——“GIFT”と“TOKI(時間)”を掛け合わせた造語です。
Giftokiは、突然の運休や30分以上の大きな電車遅延が発生した際に利用できるサービスです。専用ページから、遅延時間に応じたギフトをリアルタイムで相手に送信することができます。利用者は、遅延時間が30分以上になる見込みが立った時点からサービスを利用でき、ギフトを受け取った側は、選択肢の中から好きなギフトを選び、待ち時間を“価値あるひととき”に変えながら、遅れている相手を待つことができます。
――時間を奪うのではなく、贈るという新しい選択肢
電車遅延で待たせてしまう時間は、どうしても変えられません。だからこそ、Giftokiはその時間を“価値あるひととき”としてお返しします。本来なら相手から“奪ってしまう時間”も、Giftokiを通じて時間ギフトというかたちで返すことで、「待たせてごめんね」を「待ってくれてありがとう」という感謝の気持ちに変換できると考えています。
このサービスが目指すのは、ネガティブな時間をポジティブな体験に変えること。そして、日常の中にある“どうしようもないこと”に、やさしさと感謝を添えることです。そんな世界観に共感し、一緒に広げてくれる方をお待ちしています。
※出典:国土交通省「鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和4年度)」
(https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr8_000054.html)