マーケティングレポート
「毎年同じような提案になってしまう、売場に目新しさがない」
「売場作りをしているが、売上が伸び悩んでいる」など、
総合・食品スーパーや百貨店、ホームセンターなどの流通小売業様にとって、毎年どのような提案にするかは悩みの種かと思います。
近年は生活者のニーズが多様化していることに加え、コロナ禍を経て消費行動や生活者の取り巻く環境も大きく変化しています。そのため、毎年同じ歳事でも、お客様に足を止めてもらえる魅力的な「売場作り」をするためには、毎年同じ訴求テーマで定番商品を並べるだけでなく、生活者の意識や購買行動などの変化、トレンドなどのニーズをしっかり把握した上で、今年ならではの変化感を捉えたコンセプト設定と、それに基づいたMD企画(品揃え等)やVMD企画をしていくことが重要となります。
株式会社クレオでは、社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しいくらし行動を、“生活者視点”でまとめたマーケティングブック『生活行動カレンダー』を発行しています。
本記事では、『生活行動カレンダー』をもとに、流通小売業様が「売れる売場作り」をするために必要な情報と、売場企画の組み立て方についての活用方法をご紹介します。
販促計画立案にお悩みの方は、是非ご参考ください。
▼その他『生活行動カレンダー』活用方法をご紹介した記事のバックナンバーはコチラから
食品メーカーの方必見!バイヤーを納得させる提案書を作るために必要な情報とは?
販促計画の立案において、売上を最大化するためのニーズ・マーケットチャンスを見極めるためには、まず、その月に生活者が「どのタイミングで」「どんな生活行動を」しているのか、月の概況を把握した上で、予測を立てながらMDテーマの候補を挙げていくことがポイントです。
暦や記念日・歳事の内容は毎年あまり変わりませんが、生活者を取り巻く環境変化とともに、歳事や祝日の曜日まわりによる行動変化やイベントの予定なども消費行動のニーズを予測する上でのポイントとなります。
この「月度カレンダー」のページでは、日別の暦・記念日、生活行動、気象の概要など生活行動の全体像を把握することが出来、月度計画の基礎となるフォーマットとしても活用することも可能です。
では、こちらの9月の「月度カレンダー」から、どのようなMDテーマの候補が考えられるか、例を挙げてみます。
<新学期>夏休み明けの慌ただしさ、日常生活へのシフトと生活改善意識
<防災の日>震災だけでなく、近年では台風や秋雨による深刻な気象災害が増えており対策意識拡大
<敬老の日>お祝い対象となる高齢者が増加。3連休に三世代でのお祝い実施
<遠足・運動会>コロナが収束すれば実施率が回復見込み
<秋のお彼岸>2回目の3連休でのごちそう実施
<秋の味覚>月後半では寒暖差。ホットメニューを取り入れた食卓
など
次に、選定したMDテーマを具体化していくにあたり、生活行動の詳細を確認していきます。
購買行動の変化や意識の高まり、トレンドなど、最新の生活者ニーズを把握することは、今年ならではの変化感を捉えた「売場作り」の根幹となる、コンセプト設定やマーケットチャンスをつかんだ企画のねらい(販促戦略)を決定する上で最も重要なポイントです。
この「歳事・くらしの行動」のページでは、月々の行動を歳事など「ハレ」の行動と、衣・食・住・HBC・レジャーの「ケ」(日常生活)の行動に分類してまとめているほか、提案のヒントとなるトレンド情報や背景を説明した「MEMO」や、クレオで実施しているアンケート調査の結果を抜粋し紹介している「DATA」を多数掲載しています。
では、「歳事・くらしの行動」ページから、【ステップ1】で選定したMDテーマの中で<防災の日>の生活行動の詳細からニーズを把握し、それに基づいたコンセプト設定や販促戦略を考えていきます。
[MEMOから]
・コロナ禍を経て、在宅避難への関心が高まっている
・トラブルにあう可能性が少ないなどメリットも多い一方で、備えの事前準備が重要
[DATAから]
・「自宅での食品備蓄」は約6割だが、約4割が準備していないことになる
[くらしの行動から]
・備蓄品で訴求チャンスのあるカテゴリー・商品は多岐に渡る
・日常使いできるものを活かしたローリングストックやフェーズフリーを意識した備蓄ニーズが高まっている
など
・関心の高まっている「在宅避難」を想定した防災対策提案で拡販を図る
・「ローリングストック」「フェーズフリー」を意識した、日常の中で取り組みやすい備蓄方法を
訴求することで、防災対策アクションに繋げ、購買意欲を喚起
・幅広い商品カテゴリーで備蓄品として訴求することで、買上点数UPを狙う
など
次に、設定したコンセプトや販促戦略を実現するための対象商品を検討していきます。
買上点数を上げることが出来る売場作りとは、来店客にとって新たな発見や気づき、共感のある魅力的な提案があるかどうかです。ニーズの高い定番商品を逃さないことはもちろんですが、それに加えて購買行動や意識変化、トレンドから潜在的なニーズを捉えることが買上点数UPのためのカギとなります。
「歳事・くらしの行動」のページでは、生活行動だけでなくマーケットチャンスになりうる商品のヒントも多数掲載しています。
では、【ステップ2】で設定したコンセプト・販促戦略に基づき、どのような対象商品が考えられるでしょうか。
<加工食品>
・自宅での備蓄率が半数以下・・・ラーメン、スープ類、米飯類
・ローリングストックに適した賞味期限の長いお菓子・・・チョコレート、ポテトチップス、せんべい類
<飲料>
・自宅での備蓄率が高いが定番商品・・・水、お茶などの水以外の飲料
<日用雑貨品>
・ライフラインの代替手段・・・懐中電灯、モバイルバッテリー
・衛生用品の確保・・・除菌シート、紙おむつ、生理用品、オーラルケア用品
・防災グッズとして活用できるもの・・・ラップ、ガムテープ、ジップ付き袋
など
【ステップ3】では、コンセプトや販促戦略に基づいたMD企画(対象商品設定)をしました。最後に、MD企画に基づき、売場展開やツール、デザインを検討し売場を作っていきます。
【ステップ3】で挙げた対象商品の中から、<加工食品>カテゴリーの展開を例として考えていきます。
[売場展開]
・ラーメンやスープ類の自宅での備蓄率は半数以下のため、まだまだ購買チャンスは見込めそう。
防災の日をきっかけに、災害時の備蓄にも使えることを訴求することで、買上点数を増やそう。
⇒ラーメン・スープの元売場にて訴求展開や特設売場の構築など
・賞味期限の長いお菓子は、ローリングストックに最適。対象商品の展開場所が異なるが、
備蓄をテーマに売場作りをすれば、種類が異なる商品でもまとめ買いに繋げられそう。
⇒加工食品お菓子売場のエンドにて特集展開
[ツール]
・トップボード、レールPOP投入で売り場をコーナー化
・サイドパネルで店内回遊時のアイキャッチを獲得
本記事では、株式会社クレオで発行している『生活行動カレンダー』をもとに、流通小売業様が売場作りをする上での必要な情報と、売場企画の組み立て方についての活用方法をご紹介しました。
今回、例として挙げた<防災の日>以外のテーマも、『生活行動カレンダー』の情報を活用し、同様の考え方・進め方で売場作りをすることが出来ます。
株式会社クレオでは、流通小売業やメーカー業を中心にさまざまな販促・マーケティング支援を行なっています。
本記事でご紹介したような売場演出のご提案や、販促・販売計画の立案、マーケティング・プロモーション戦略立案など、お客様のニーズに合わせたカスタマイズ対応のご相談や問い合わせも随時受け付けておりますので、ご興味ございましたら以下からお気軽にお問い合わせください。
40年に渡り「生活者」を見続け、研究してきた当社のノウハウを活かしたマーケティングブックです。
社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しい暮らし行動を、生活者の立場に立った“生活者視点”で描いているのが特徴です。リアルな生活者の意識行動を歳事・行事などの「ハレ」の行動と衣食住などの「ケ」(日常生活)の行動に分類し、12カ月のカレンダー形式でまとめ、マーケットチャンスを提案しています。
俯瞰的なマーケティング情報から月度単位の生活に関する情報を把握し、販売・販促計画をはじめ、マーケティングにご活用いただける内容を掲載。販促企画書や月度販売計画書の基本フォーマットにも活用できます。
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