27
December
2021

マーケティングレポート

食品メーカーの方必見!バイヤーを納得させる提案書を作るために必要な情報とは?

「新商品がなかなか採用にならない」
「定番商品の配荷が進まない」
「毎年似たような提案になってしまう、提案のネタが尽きた」
「自社商品を売り込める新しいチャンスが見つからない」など、

メーカーの営業の方々や、大元のベースとなる提案内容を設計されているマーケティング部、販促企画部、営業企画部の方々はこういった悩みをお持ちでないでしょうか?

メーカーの得意先となる流通小売業は、売上目標の達成に向けて「いつ・どの商品・どのサービスを・どのようにして売るのか?」を整理した販売計画を、年間、半期、四半期、月度で作成しています。食品メーカーは、この販売計画に合わせて自社商品を採用してもらう働きかけをしていくことになります。したがって、常にバイヤーを惹きつける新しい提案をアウトプットしていくことになりますが、その提案の根拠となり得る情報の収集については、おさえるべきポイントやコツが存在します。

本記事では、食品メーカーがどのような観点で情報収集をするべきか、ポイントをまとめました。提案書の作成を効率化させたい方や、新しい切り口の提案を検討されたい方は是非ご参考ください。

【提案に役立つ情報1】家計消費支出(いつ何が消費されているか)

総務省が実施している家計調査の「消費支出」のデータから、どの月でどの品目の支出が多いかを客観的に把握することができます。

小売は、売上を最大化させるために、いつ・どのカテゴリーで・どの商品を販売するかを考えています。そのため、重点カテゴリーや重点商品の販売時期を見極めるために、家計調査などの市場データを活用しています。また、より一層売上の拡大が見込める複数の異なるカテゴリーの商品を組み合わせた販促企画やクロスMDの実現の可能性を探しています。これらを踏まえ、52週MD計画が作成されます。

一方、食品メーカー視点では、小売に配荷してもらう必要があるため、小売の52週MD計画に沿って自社商品を売り込む必要があります。そのため、食品メーカーもカテゴリーや品目ごとの家計消費支出のデータから、自社商品が売れるタイミングを見極めることが重要となります。さらに、自社商品と同時購買が起こり得る他のカテゴリーの品目と掛け合わせた提案をすることもポイントになります。例えば、支出金額の年間順位が上位となる品目どうしを掛け合わせた販促企画やクロスMDを提案することで小売メリットに繋がるため、配荷が促進される可能性が高まります。


出典:「’22生活行動カレンダー」

続いて、こちらの家計消費支出のデータ事例から、メーカー視点ではどのようなことが考えられるか、例を挙げてみます。

■家計消費支出の活用事例

<ふりかけメーカーの場合>
[根拠となる家計消費支出データ]
4月は「ふりかけ」の消費支出が年間1位。
[考えられること]
ふりかけの販売チャンスは1年の中で4月がピーク。4月にふりかけをしっかり売り込めるように、提案準備をしよう。

<調味料メーカー、パスタ麺メーカーの場合>
[根拠となる家計消費支出データ]
4月は【穀類】のカテゴリーで「スパゲッティ」、【生鮮食品】のカテゴリーで「たまねぎ(新たまねぎ)」「たけのこ」「キャベツ(春キャベツ)」「トマト」などの旬野菜、「いか」「あさり」などの旬の魚介類が、年間で3位以内に入る。
[考えられること]
パスタの乾麺・パスタソース・旬の生鮮食材のクロスMDで、春パスタフェアを企画し、メニューを週替わりで提案してみよう。

【提案に役立つ情報2】カレンダー情報(いつ何があるか)

食品メーカーの得意先となる小売が立案している販売計画は、「3ヶ月先」「半年先」と “少し先の未来のコト”になります。

そのため、小売にとって、生活者が “どのタイミングで” “どのような暮らし行動(生活行動)”をしているかを把握することは重要です。小売は普遍的なカレンダー情報を基に生活行動を把握しています。暦・記念日の情報だけではなく、歳事や祝日の曜日まわり、国際的なイベントの予定など、基本的な与件情報からも、生活行動の予測を立てています。

食品メーカー視点においても、いつから、どのような生活行動が起こりそうかという情報を予測することで、小売の販売計画に沿った提案になり、自社商品の提案力や説得性が増します。また、販促を仕掛けるタイミングや打ち手を検討する上でも必要な情報です。


出典:「’22生活行動カレンダー」

続いて、こちらのカレンダー情報の事例から、メーカー視点ではどのようなことが考えられるか、例を挙げてみます。

■カレンダー情報の活用事例

<菓子メーカー、製菓メーカーの場合>
[根拠となるカレンダー情報]
2022年のバレンタインデーは月曜日。直前は建国記念の日を含む3連休。
[考えられること]
直前が3連休なので、例年よりもバレンタインに向けた準備がしやすそうな曜日まわり。手作り派も例年以上に増えるかもしれない。

<菓子メーカーの場合>
[根拠となるカレンダー情報]
2月から本格的な受験シーズン到来。2月4日(金)に北京冬季オリンピックの開会式が開催。バレンタインデー当日も冬季オリンピック期間。
[考えられること]
2022年のバレンタインは、オリンピックの時期や受験シーズンとも重なるから、「応援」をテーマにキャンペーンを企画しようかな。「自分に対する応援」「大切な人に対する応援」「選手に対する応援」のメッセージをSNSで募集して自社商品をPRをしてみよう。

【提案に役立つ情報3】生活行動情報(いつどんな行動が起こるか)

歳事やイベントにおける生活者の行動や暮らし方が具体的にイメージできる情報源は重要です。

バイヤーに採用してもらうためという目的が先行することで、企業視点と生活者視点の配分が企業視点に傾いてしまい、提案から生活者視点の要素が抜け落ちてしまうことがあります。

前述したカレンダー情報と連動した生活行動事例の情報から、“より解像度が高い生活者行動”をイメージし、生活者に魅力に感じてもらえる提案をすることで、配荷している商品の安定的な売上の確保に繋がります。

【提案に役立つ情報4】トレンド情報(新しい切り口はありそうか)

食品メーカーの方々にとって最も気になる情報は、最新のトレンド情報ではないでしょうか?
提案に新しさを付与できる起爆剤となり得る情報がトレンドです。

雑誌、新聞などの各種メディアの情報から、SNSやソーシャルメディアで活躍する世界中のインフルエンサーが発信するなど、日々どこかで新しいトレンドが生まれています。

トレンド情報から、どのような商品をどのように売るか具体的なイメージを描くことができます。
トレンド情報を提案の背景に使用することで、前年との変化感が感じられる新しい切り口が生まれます。


出典:「’22生活行動カレンダー」

続いて、こちらの生活行動情報とトレンド情報の事例から、メーカー視点ではどのようなことが考えられるか、例を挙げてみます。

■生活行動情報とトレンド情報の活用事例

<菓子メーカーの場合>
[根拠となる生活行動事例・トレンド情報]
・感謝の気持ちを込めて贈る世話チョコ
・学校や職場でお世話になっている人へ友チョコや世話チョコを贈る
・チョコレートやクッキーに感謝の気持ちを書いて贈れるサービスを利用する
[考えられること]
「お世話になりました」という意味合いのチョコレートであれば、学校や職場でも贈りやすそう。メッセージを添えられるパッケージやシールを用意してもいいかもしれない。2022年のバレンタインに、『世話チョコ』を贈る提案を考えてみよう。

<和菓子メーカーの場合>
[根拠となる生活行動事例・トレンド情報]
・祖父母と孫でギフト交換をしたり、一緒に食べて楽しむ
・抹茶、ユズ、日本酒、焼酎など和風の素材を使ったチョコレートを買う
[考えられること]
孫が祖父母に贈る三世代バレンタイン企画が検討できそう。チョコレートに限らず、自社の和菓子の商品が三世代のコミュニケーションのきっかけに寄与できる提案を考えてみよう。

■終わりに

これまで食品メーカーの販促企画、営業企画の方々が流通小売業に対する企画提案を検討する上で駆使するべき4つの情報源を挙げてきました。
株式会社クレオでは、これらの情報が一冊にまとまった書籍、『生活行動カレンダー』を販売しています。

こちらは、40年に渡り「生活者」を見続け、研究してきた当社のノウハウを活かしたマーケティングブックです。社会動向の変化に伴って生まれる生活トレンドや新しい暮らし行動を、生活者の立場に立った“生活者視点”で描いているのが特徴です。リアルな生活者の意識行動を歳事・行事などの「ハレ」の行動と衣食住などの「ケ」(日常生活)の行動に分類し、12カ月のカレンダー形式でまとめ、マーケットチャンスを提案しています。

以下がページの概要です。ご興味ありましたらご覧ください。


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