21
January
2014

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日本の幸福度と2014年のプロモーション。

販売促進は「日本の幸福度」のアップに役立つことが出来るのか? 今から約2年ほど前の2012年4月に、ブータン首相が国連議長になり国連ハイレベル会合が実現し、最初の世界幸福度報告書(World Happiness Report)が発表され、その直後に同首相が日本を訪問するなど当時話題を集めました。 その「世界幸福度ランキング(2010‐2012年の国別幸福度ランキング結果を、2013年に発表)」では、1位デンマーク、2位ノルウェー、3位スイス 世界の経済大国1位のアメリカは17位、2位の中国は93位、日本は43位という結果でした。 幸福度の過去3年の比較では、東アジア全体では上昇傾向がありますが、日本は0.3ポイントを下落する結果になりました。 幸福の感じ方は、ひとりひとりの価値感や人生における時期、その時の環境等によって異なるものですが、世界的に何かの基準(物差し)を持って、比べてみることでひとつの結論を導くことはとても興味が持てます。 では、私たちの関わる「販売促進」(セールスプロモーション)や広告(アドバタイジング)という仕事は、この幸福度を高めることに役立っているのでしょうか? まず、この課題の前に、2014年のプロモーションの動きや社会の潮流について、当社の生活行動研究部の関が「販促会議」2014年1月号に執筆した「2014年カレンダー、マーケットの動き」の記事内容から、そのポイントについて紹介したいと思います。 *********************************************************** 2014年のポイント「深夜」のスポーツ観戦消費が活発に。 国内は「西日本」が熱い。 2014年は2月7~23日にロシアのソチで冬季オリンピック(パラリンピックは3月7~16日)、また6月12日~7月13日にブラジルでサッカーのワールドカップが予定されており、スポーツイベントで消費が盛り上がる年です。 日本で観戦する場合の放送時間に注目してみると、ソチ五輪はフィギアスケートなど人気競技のオンタイムの放送時間は深夜になります。 また、ブラジルW杯の試合開始時間は、日本時間の午前1時~10時となり、昼夜が逆転します。 2012年のロンドンオリンピックでは人気競技のテレビ放送が深夜になった為、お酒やおつまみ、スナック、デザートなど観戦しながら飲食する食品や眠気覚ましのガム、コーヒー、エナジードリンクなどを購入する人が増えました。 今回も深夜の観戦に向けた商品やサービスに関する需要が高まり「深夜の観戦消費」が活性化しそうです。 また、ボルシチやピロシキなどのロシア料理、シュラスコやポンデケージョなどのブラジル料理への関心も高まりそうです。 食文化以外では、マトリョーシカ(胴体の部分で上下に分割でき、中に少し小さい人形が入っている民芸品)などのロシア民芸雑貨、サンバ、ボサノバと言ったブラジル音楽などのマーケットの広がりも予想されます。 一方、日本国内イベントのキーワードは“地域”と“歴史” 2013年は「八重の桜」(平均視聴率14.6%)や「あまちゃん」(平均視聴率20.6% 数値は共にビデオリサーチ)の舞台となった東北が注目されましたが、2014年は西の地域のイベントが目立ちます。 2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」。主人公は戦国武将の黒田官兵衛で、兵庫県や福岡県、大分県などのゆかりの地でイベントが予定されています。 四国では八十八ヶ所霊場が開創1200年を迎えます。 2014年は四国が注目のポイントになります。 また、お茶の文化を広めたことで知られる栄西禅師の八百年忌にちなみ、博多や京都などのゆかりの地でイベントが実施されるほか、3月には博覧会「瀬戸内しまのわ2014」が開催されます。 広島県、愛媛県の瀬戸内の島々や臨海部で観光振興イベントなどが予定されており、瀬戸内地域にも関心が高まりそうです。 また、10月は大阪冬の陣400周年、東京オリンピック50周年、東海道新幹線開業50周年があり、大阪から東京を中心に、各地域でイベントが予定されています。地域文化や歴史をテーマにしたイベントも多く温故知新をヒントにしたマーケットの広がりも予想されます。 (以上、販促会議掲載の内容から) *********************************************************** 2014年の世界や国内のイベントを見ると、オリンピックやワールドカップのような巨大なマーケットの動きやローカル<地域>においても観光や周年などのテーマから(日本では消費増税による影響が囁かれていますが)経済や社会における明るい兆しや希望のようなものが感じられます。 日本がかつての高度経済成長の時代のようであれば、社会の動きと広告や販売促進と言った機能が相乗的につながって、経済の伸びも広告業界の売上げも共に「右肩上がりの現象」として見られたと思います。 時代は広告などコミュニケーション活動においては、マス・メディアからソーシャル・メディアの活用や効果を期待して、プロモーション活動についても、企業の売上げや集客と言った課題解決に関する責任を求めるようになって来ました。 つまり、広告も販売促進における活動も、そこには明確な垣根が無くなってきており「幸福度への貢献」と言う視点からであれば、社会や企業や人に対して、従来の価値の捉え方から一旦見直して本質的なものを考える必要があります。 企業のビジネス活動は生活者を幸福にしただろうか? 人間(生活者)には一時的なよろこびや快楽を求めがちな性質があります。 その状態を意識して、そこを重視したモノやサービスを提供すれば、確かに生活者からもポジティブな反応を得られる可能性は高まります。 そのために企業は短期的な快楽や刺激を訴求できるモノやサービス(プロモーションのような仕組みに乗せて)をつくろうとする傾向がありました。 しかし、一時的な快楽を重ねても人間の本質的な部分を「幸福化」することは出来ません。 生活者自身も企業も、既にこのことについて気づき始めています。 幸福を英語で表すと「happiness」と「well-being」の2種類の単語があります。 これからの時代、より求められるのは「happiness」ではなく「well-being」と思います。 「よりよく生きる」「満足がつづく」こうしたものを求める中で企業は何が行えるか。 企業は、この幸福やしあわせを意識せずに、利益の追求や規模の拡大だけを目指していくと、生活者はいずれその企業からは離れていくことになるでしょう。 販売促進のあり方も同様に思います。商品やサービスの普及や売上げと言ったマーケティングの目標を掲げながらも生活者や企業との間に立ち、「伝えていく」「手渡していく」と言った役割を今以上に意識すれば、それが最終的には「日本の幸福度」と言った目に見えない効果につながって行くと考えられます。 年始、YouTubeで「世界中が注目したタイの通信会社のコマーシャル」をみました。 約3分間のテレビ・コマーシャル(海外のコマーシャルは日本の放送時間に比べて少し長いです)の中で表現されて いるのは“手渡すと言うことが最高のコミュニケーション”と言うテーマ。 「伝える」「手渡す」(これらはネットの世界においても、リアルな売り場や施設においても)の背景にあり大切にしておきたいことは「情」や「真摯」のようなものと感じます。 truemove社(タイ) テレビ・コマーシャル  以下URLの動画は日本語字幕付き。 病気の母のために薬を盗んで店主に捕まった少年を見て、食堂で働く男性は代わりに金を払い少年に薬を持たせた。 その30年後、男性は入院、男性の娘は治療費に頭を抱えていた。そこで起きた出来事は…… →http://www.youtube.com/watch?v=oSVYQVYXn_E  

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株式会社クレオ 生活行動研究部  関 智美
      ichikawa著者:市川 武也 インサイト、デジタルの活用、お店や商品のブランディングなど課題や機会の多い中で、次世代のマーケティングやプロモーションに取り組む人材の育成と、プランニングのメソッド開発と普及に従事。 2010年-2014年国内、海外の主なリテールとメーカーを中心にしたプロモーション(ウェブ、クリエイティブ含め)をまとめ分析。 企業の提供する価値とテーマの創り方を、リアル店舗とデジタルの領域から見つめています。]]>