13
December
2013

WEBで読める! 最新SP講座

マーケティング活動の差をつけるための情報はどこから得るか?

そして、その使い方のポイントについて。 「どんな仕事でも、趣味でも、スポーツでも、自分の持っている力をどこまで引き出して伸ばせるかが勝負だと思います。 人の力の差は、力そのものの差よりも、「自分が持っている力の引き出し方」だと感じます。 今回のテーマは「この力の差をつけるための情報」と「その力の引き出し方」についてです。 私はよく本屋に立ち寄ります。「本屋に行く」と言うよりも「本屋に立ち寄る」と言う表現を使うのは、普段の生活の導線(最寄)にある本屋に繰り返し行くことよりも、買い物や外出などのついでに立地(駅ビルや路面店)やお店の 規模の違う本屋に立ち寄る方が、「今の売れ筋」などの情報の他に、その本屋の独自の演出や工夫、本へのこだわりなどの違いを感じることが出来るからです。 本屋で働く人たちの「本や売場づくり」の想いと言うものは、見ていてとても深いものを感じます。 これは全国規模でチェーン展開する本店でも、独立型の本店でも同じ印象を持ちます。 「本屋大賞」(全国の書店員が一番売りたい本に投票して選ばれる賞)はその象徴的な企画です。 ビジネスやマーケティングで分類された棚・コーナーで目に付くもの。 「なぜ、人は○○してしまうのか?」「000円の○○を0000円で売るには?」「自分のアタマで考える!」こうしたタイトル・見出しを最近よく目にします。 これらの本の内容にはビジネス・シーンに限らずに「ものごとの本質を知ることの大切さ」という共通するテーマがあります。 このコラムでも幾度か「課題と向き合うとき、モノを捉えるときには本質が大事」と記して来ました。 今こうしたことがあちらこちらで取り上げられる理由は何か? それは、情報過多の時代(現代人の一日の情報量は江戸時代人の一生分と言われます。)の中で、人が自分の頭で考えたり意思を持って整理をすることが受け止める情報量とその処理に追いつかずに、飽和した状態が続くことから、ものごとの根本が見え難くなっていることが言えます。 自分自身で何かを意識しないと、益々本当のコトがつかみ難くなって行く、そんな時代に向かっているように感じます。 マーケティングやプロモーションに関する仕事に携わること以外にも日々の生活において、これは非常に憂慮することです。 こうした中で、最近読んだ本から、気になった本を紹介します。 このコラムを読まれている方の中には、マーケティングの経験者もいれば、これからそうした仕事に就きたいと思うビギナー(主に大学生)の方もいるかと思います。 両方の<視点>を意識して紹介することにします。 ******************************************************************************* ■『価値創造の思考法』  著者:小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 「価値創造」 この言葉は、流通小売業界でも事業会社(メーカーなど)でも、今後のマーケティング活動におけるキーワード<共通言語>として取り上げられています。 そもそもこの価値はだれのための、どんなモノを指すのでしょうか? この本では、価値について感性消費行動から捉えており、新しい消費社会の読み解き方のヒントが記されています。 そして、「なぜ、価値創造がいつまでも実現できないのか?」「顧客を絆顧客と、その企業の応援者にするには?」の章やテーマは課題の提示と共に、「価値」や「顧客」についての定義をあらためて考えさせるものです。 また、思考のためのツールとして紹介されている「価値要素採掘マップ」は商品の価値を掘り起こすための<手順>として、商品の軸や本質を大勢で整理する際に役立つように感じました。 私も社内でワーク・ショップ(グループ・ワーク)を行なう際に、この「採掘マップ」と同じように参加した人たちの意見が<見える化>されることと、討論の中で参加者の意見が課題やテーマの本質を突くような<問い掛け>をするように心掛けています。 価値を創造するための思考法は、人や商品やお店や世の中を捉えるときに、その根元にあるものに目を向けさせる“SONAR=ソナー” (捜査や探知する装置)のような気がします。 ■『買わない理由、買われる方法』 著者:松田久一  ジェイ・エム・アール生活総合研究所代表取締役 「買わない理由がわかれば売れる」 本屋の棚からその本を手に取り、帯に書かれたこの文字を読んだ際に、「オンライン・ツー・オフライン(O2O)の本当の役割について」と言った別のテーマが頭の中をよぎりました。 O2Oの特性として、スマートフォンなどを利用したリアル店舗への集客・送客が言われますが、O2Oを掘り下げると「お店に足を運んでくれたお客さんが商品を買わない場合、その理由や背景にあるもの(原因)はなんだろう?」と言った課題を追求することになります。 この本にある「買わない理由がわかれば売れる」は、O2Oによって導かれる課題への取り組みのヒントにもなります。 また、本の内容には「不況を乗り切る流通小売業」として、リーマンショックを乗り越えた流通小売業(全国に展開するナショナル・チェーンや地域色の強いローカル・チェーン)の事例なども記載されています。セールス・プロモーションにおける取り組みの目標や目的に「売上げアップ」「集客アップ」がありますが、「人がモノを買う理由」「反対に買わない理由」と言うことを視点にすると、企画や展開を考える上でも、それを仕掛ける側(企業や代理店側)の一方的な見方・理論に偏ることが無くなります。 3冊目に紹介をする本は、マーケティングの業務の経験が少ない人にとっても、わかりやすい表現や文章で書かれて いる本です。 ■『マーケターを笑うな!』 著者:山本直人 世の中にはマーケティングに関する本は沢山ありますが「マーケティングの仕事って何?」についてテーマに取り上げている本は殆どありません。また、この本のタイトルから受けたインプレッションと、文章の挿絵にある「しりあがり寿さん」の軽妙で軽快なイラストが、読み手をマーケティングの世界へとさらに引き込んで〈自分ごと化〉して考えさせる力を感じます。 山本さん(以前、当社で講義をしていただいたことがありました)は、マーケターであると同時に、人材育成プラン ナーとして、これからの時代に必要なマーケターの力やスキルについて「マーケティングの理論」と「わかりやすい事例」から紹介しています。 「マーケターを笑うな!」の冒頭に記載さている「桜の花っていうのは、タダの花じゃないんだ。『春に咲いているってことは、今なら昼からここ(桜の花の咲く木の下)で酒飲んでもいいよ』という標識みたいなものなんだ」実は、この話がマーケティングの本質を突いていると言った紹介がありました。私はこの文章を読んだときに「おもしろい」そして、まだマーケティングの仕事の経験の少ない人や、これからマーケティングに関する仕事を目指す人にとっても、是非「伝えたい本」と感じました。 なぜ桜の花がただの花ではなくて、マーケティングの本質を突いているのか?是非一読してみてください。 ******************************************************************************* まず大切なこと。 ここで取り上げた3冊の本は、これらの本を読むことで直ぐに「価値を創造する力や方法が身に付いたり」「人が商品 を買わない理由がつかめたり」「山本直人さんの唱える4タイプのマーケターに、誰もが何時かなれる」と言うわけではありません。 読書をされる皆さんにとっては当然の理解かもしれません。ただ、ここで大切なことは、まずは価値を創造することも、人が商品を買わない理由についても、自分の頭で考えてみることです。 マーケティング活動において差をつけるための情報の収集は、本に限らずに商品を販売しサービスを提供する現場のお店であったり、そこで働く人たちの生の声や、プロモーションなどケーススタディなど沢山のものがあります。 本は著者の視点から課題や疑問が浮き彫りにされ、それを分かりやすい文脈で唱え、考え方について示しているひとつの情報でしかありません。 『ひとは自分がすでに知っているものや情報と比較して、初めて何かを理解したり行動することができる』これは、TED(TEDはアメリカの非営利団体で、あらゆる分野における最先端の人々が集まりプレゼンテーションをする場をつくり、その動画を無料配信しました。その内容は毎週月曜の夜11:00-11:25にEテレで放送されており、今日本でも高い関心を集めています。)を創設した建築家にしてデザイナーのリチャード・ソウル・ワーマン氏の言葉です。 まずは好奇心を持って、情報や現場の空気に沢山触れて、自分で考えてみることから始めてみると良いと思います。 マーケティング活動における差はそうした中で生じてくるものと感じています。  

10回コラム
山本直人さんの著書「マーケターを笑うな!」今では沢山の付箋とページに折り目が付いています。 このWeb講座に本の写真を載せても良いですか?と尋ねたところ「もちろん結構です!」と快諾を頂きました。 私はマーケティングのややこしい課題で悩んだり、回答に迷いそうになった時に必ずこの本を自分の身近に置いておきます。
          ichikawa著者:市川 武也 インサイト、デジタルの活用、お店や商品のブランディングなど課題や機会の多い中で、次世代のマーケティングやプロモーションに取り組む人材の育成と、プランニングのメソッド開発と普及に従事。]]>