11
November
2013

WEBで読める! 最新SP講座

トスコインの確率から分かること。

確率の話しをベースにしたマーケティング活動のポイントについて。 トスコインとは、サッカーの試合やコート・ゲーム(競技)をする際に、試合開始時のボールの支配権を決めたり 自陣のコート(サイド)を決める際に行なわれる「コイン投げ」。 テニスの試合の際にコートの中央で審判がコインを上に放り投げて「表」か「裏」を当ててサーブを打つ順を決める 方法です。 掛け金を表すコイン(チップ) このコインはカジノなどで「ルーレット」や「ポーカー」と言った賭けの際に、“賭け金”を表すもの「=チップ」としても使われます。 ちなみに日本における公営ギャンブルは、大別して公営競技と公営くじの2つに分けられ、国庫等の収入の一部となっています。これ以外にも最近、財政難に苦しむ地方自治体を中心に特別法の制定による公営カジノの設置を求める声が上がるなど話題になっています。 今回は、この「コイン」を使ったお話しです。ギャンブルではなく、あくまでもマーケティング活動の取り組みに関する事です。 みなさんが賭けに参加するヒト<プレーヤー>、私がその場を仕切る胴元で<ディーラー>と言う立場で考えて 頂きたいと思います。コインには「表」と「裏」があります。ディーラーである私がコインを上に投げて(このことをトスと言います)手のひらに落ちるコインの「表」「裏」を予想してもらいます。 このトスコインを繰り返し行なっていく場合、お互いがお金を賭けて進めていくと最後に勝ち残るのは誰でしょうか? 問題の内容を簡単に整理します。 ○場所はラスベガスの「カジノ」です。 ○参加をするのは、プレーヤーである「あなた」とディーラーである「私」 1対1です。 ○賭けに使用するのは「コイン」 ○賭けの方法は「トスコイン」 ディーラーが上に投げ「表」「裏」を予想。先に決めるのは「プレーヤー」で構いません。 ○賭けですので、毎回お金を賭けます。この賭け金(レート)を決めるのも「プレーヤー」で構いません。 ※コインの「表」「裏」の確率は1/2  使用するコインには厚みがありますが、「コインが立つ」と言う答えはありません。  

第8回コイン
掛け金を表すコイン(チップ)には 写真のようにカラフルでデザインが 凝ったものが多くあります。 ポーカーやルーレットなどを魅了する、 ひとつのツールにもなっています。
第8回スライド
これは1/2の確率を表しています。 横軸の破線は確率1/2を示して、勝負の運はディーラーとプレーヤーを行ったり来たりします。
  この話は社内の研修などで何度か行ないました。 考えてもらう時間は、10分程度。まずは、自分ひとりで考えてもらいます。その後参加者と一緒に話し合います。 コラムを読まれている皆さんも暫くの間考えてみてください。   カジノで使われている「コイン」とは? ラスベガスなどのカジノにおいては、現金とカジノ専用コイン(カジノでは“チップ”と呼びます)は価値的にまったく等価なのだそうです。 交換の際に手数料のようなものを取られることは一切なく、交換による目減りは全くありません(ただし、非米国居住者が、スロットマシンなどで $1200 以上の高額配当を受ける際は税金が差し引かれます)。 $100 の現金をチップに替えれば$100 のチップになるし、同様に$100 のチップは$100の現金に交換することができます。 また最小限度額のような制限もありません。 さて質問は 「トスコインを繰り返し行なっていく場合、お互いがお金を賭けて進めていくと、最後に勝ち残るのは誰でしょうか?」・・・でした。 以下は、参加者から聞かれた声です(出来るだけそのまま書きます)。 ○ディーラーが勝つ  ・自分が勝っているときに賭けを止められる  ・沢山の経験を持ち、プレーヤーには簡単には負けない  ・負けないテクニックがある  ・メンタル的に強い(とくに長期戦に強い)  ・プレーヤーの心理が読める  ・コインには仕掛けがある  ○プレーヤーが勝つ  ・賭け金(レート)が決められる   ・自分が勝っているときに止められる  ・ビギナーズラックがある      ・一発勝負ならメンタルはむしろプレーヤーの方が強い  ・気楽に行なえる(職業意識が少ない分、思い切りが良い。ディーラーはプレッシャーとも戦う) 研修の参加者の声(挙手による数)から、どちらが勝つかと言う質問に対する回答の割合は、ディーラー:プレイヤーが8:2くらいでした。 中には「それでも、引き分け」「勝ち負けがつかない」と言った意見も必ず聞かれます。   では、トスコインの確率から分かること。 コインには「表」と「裏」があり、そのいずれかの出る確率は1/2になります。 ただし勝負は、回数(経過)によりプレーヤーの方に傾くときがあったり、ディーラーの方に傾くことがあります。 これがギャンブルの醍醐味、一度始めた人がなかなか止められない理由なのでしょう。 「表」「裏」の確率1/2は変わらないことを条件に、勝負はどのような時につくのかを考えます。 どちらかが倒れるまで?どちらかが根負けをするときまで?・・・。 <答え>のポイントは、ここにあります。 “勝負がつく瞬間” 、それはどちらか一方が賭け金を失うとき。 永遠に続くような勝負も、賭けるお金が底を尽いたら、賭けはそこで成立しなくなります。 プレーヤーは、いつかは賭けるお金が無くなります。カジノはこのお金について個人を上回る潤沢な資金を抱えています。 ラスベガスのカジノの運営にはホテルと言った巨大な資本(原資)が付いていますから。 つまり、この話の答えは「勝つのはディーラー」と言うことになります。    ただし、この話で大切な点は「ディーラーが勝つ」と言うことを当てることではなく、どんな状況下でどんなことが予想されるか、まずはそれを自分のアタマで考え、次に皆で(多くの人と)話し合う事です。 今回は、ウェブによる講座なので、複数での話し合いの機会は設定していません。 これは、現代のマーケティングの活動において、とても大切なことです。 パソコンを使いマウスをクリックしたり、スマートデバイスの画面をタップする前に、まずは自分のアタマで考えてみて、それを(出来るだけ文字や絵にして)誰かに伝えて話し合うことが、課題や問題に向き合う中で大事なことと思います。 ひとりのアタマの中で考えることは、知らず知らずに定型化された考えになったり、常識の壁をやぶろうとする際に、その壁が大きく高くなってしまいます。 そして、もうひとつは「確かな根拠を持つ」事です。 ブレーンストーミングなどでアイデアを多く出そうとする際は、自由な発想や思いつきなど、むしろ自分の経験や勘を頼りにした意見や発言で良いと思います。 ただし、今回のように「選択やその理由」が求められる場面では、話しをしている相手(時にはクライアント)が頷くことが出来るような明確な根拠を示すことが必要です。   「カジノを持つホテルの資本力」にはじめから目を付けて「ディーラーが勝つ」言い切れるヒトはなかなかいないと思います。この話を約100人に行ったところ、2人だけ「賭けが成立しない時、それは自分の持ち金(掛け金)が尽きたとき」と、この話のテーマである本質(=物事の根本的な性質・要素)や根拠(=物事が存在するための理由となるもの)を突いたヒトがいました。 当社の大阪支店の女性(プランナー) と、男子学生(大学3年生)です。   マーケティング活動のポイントは、「本質を捉えようとするモノの見方や考え方」です。 皆さんも考える際には常にポイントを意識してみて下さい。   ichikawa著者:市川 武也 インサイト、デジタルの活用、お店や商品のブランディングなど課題や機会の多い中で、次世代のマーケティングやプロモーションに取り組む人材の育成と、プランニングのメソッド開発と普及に従事。]]>