16
June
2014

WEBで読める! 最新SP講座

アカウントやマーケティング活動に大切なこと。

“従来の方法が通じなくなって来た時代”に何を見るか。

私たちのような“企業のマーケティング活動に携わる仕事”に限らず、
「最近、今までの仕事のやり方が通じなくなって来た」
「インセンティブや、価格戦略だのと言って人を集めようとする前に、考えることがあるのではないか」
「お客さんの声を聞き、そこから課題をつかもうとしても、返ってくる声は“なんとなく”や“困っていない”」
こんな話をよく耳にします。

沢山の商品を製造して、それらをブランドとして取り扱うメーカーや、この20年近くの間で市場を大きく広げたかのように見えるパソコン関連のハードやソフトのメーカーも、そして私たちの日々の食事や生活の多くを支える流通小売業(スーパーマーケットやコンビニエンスストアやドラッグストアなど)の世界においても同様です。
デジタル化によるコミュニケーションやシステムの進化は、私たちの暮らしに“大きな福音”をもたらした一方で、「従来は当たり前であった仕事の方法やスタイル」に、「変化」や「革新」の必要を突き付けているように感じられます。
(全てを変えるのではなく、本質を見直すと言った方が正しいかもしれません)

次世代型や「3.0」(マーケティングの捉え方から「1.0」が製品を中心に、「2.0」は消費者志向を中心に、そして「3.0」はソーシャルメディアの影響を受ける時代として、この様に数値で表現されています)や、「U理論」(マサチューセッツ工科大学のC・オットー・シャーマン氏が提唱する理論で、直感を上手に取り入れて正しい行動をするための考え方)などがマーケティングの在り方を語る際に引用されていますが、私たちの業務や責任であるアカウントや、マーケティング活動の中で、何が大切なことかを今一度考えて見たいと思います。
この数ヶ月、メーカー、流通小売業、コンサルティング、そしてマーケティングに携わる(企業やアカデミックの)人たちと話しをして来た内容から、これからの事を考える為のヒントとして、いくつかのポイントにを挙げてみまた。

ポイント1 生活者視点や顧客視点の本当の意味について。
生活者視点や顧客視点とは、生活者や顧客としての立場だけでモノゴトを捉えることではありません。
今、多くの企業(広告代理店やマーケティング関連の会社に限らずに)で、「生活者視点」や「顧客視点」そして「買い物客の視点」と言ったキーワードが使われていますが、課題解決の糸口を探そうとする際に、“視点”とそこに携わる人や企業(ステーク・ホルダーも含め)の“視野”や“視座”と言うものを頭に入れながら捉えたいと思います。

見る位置や立ち位置が異なると、ベネフィットや優先すべき課題の順など異なる事があります。

ポイント2 生活者や買い物客に、ニーズは何?と訊ねることの不見識。
生活者自身や買い物客自身が「自分が欲しいもの」に気づいていないケース(習慣化された無意識)の多い中で、何を見直して、その為の方法を追求することの必要性を、多くの企業が考え始めています。
ニーズはそこになくて、つくりだすもの、そうした概念が生まれ始めました。
マーケティング活動の特徴や傾向においても、かつてのターゲティングしてメディアのセレクトによるアプローチが主体の『顧客獲得型』から、顧客との間に望ましい関係を作り、それを継続的に強めて行くことに主題を置いた『顧客関係管理型』へとシフトして来ました。

ポイント3 現場を見ているか?現場だけを見ていないか?
広告もプロモーションもタッチポイントである現場(メディアとの接点や施設、リアル店舗など)をつぶさに見ながらも、その周辺にある「商流」や「情流」の変化(商流や情流の中にもインサイトは在ります)について掴む必要があります。
現場はリアルな様子をうかがったり、買い物客が認知している地図(買い物行動)を測る目的からも重要なものですが、そこに影響を与える様々なイシューも同時に考えたいと思います。

ポイント4 これからの事業会社(メーカー)や流通小売業、サービス業の捉え方について。
オーバーストアや少子高齢化、商品のコモディティ化、(チェーン・ストアをはじめとした)店舗間や商品の差別化において、もはや限界と囁かれる中、これらの企業が次の時代に何を考えて生活者や買い物客と付き合うか?
そして、代理店(マーケティング、クリエイティブ、プロダクツも)はどの様な関係を持ち、新しい役割・機能を果たせるか、そこに知恵を出す必要があります。共創、共働、リレーションシップ、これらの本当の意味を考えます。
突き詰めて行くと、そこには「広告をしない広告」や「販売促進をしない販売促進」と言った発想が生まれます。

ポイント5 今以上に、自分の頭で考えると言う事。表層から本質へ。
様々なマーケティング調査や販売データの後ろ側にある数値化されないものや、言語化出来ないものの中に、何を見つける事が出来るか?差異のないものが溢れる今の時代に、“どう穴を掘って拡げることが出来るか?”を考えます。
その時に「そもそも」を複数回唱えることや「What & Why」の自問を繰り返すことで、より有益な回答(本質)に近づくことを、講座の中でも触れて来ました。

ポイント6 プロモーションの本当のハカ(図・測・計・量・諮)り方、そして活かし方。
沢山のマーケッターやプランナーが工夫して取り組んだ実績/ケース・スタディ(プロモーションも、マーケティング活動も、クリエイティブによる表現)からも、どのようにすればもっと活かせて、生活者や買い物客に、そして企業においても良い提案になるか、つながるかを考える必要があります。ケーススタディは「戦略」を考える教科書
(参照できる正しいアイデア)であり、それぞれの展開の差(期待する効果など)の中にはビックアイデアのヒント
が在りそうです。

ポイント7 代理店の役割について。
“次の時代の企業像を明確にしなければ、その存在や価値すら希薄になる”そうした社会がやって来ました。
特にクライアントと向き合い「アカウント」の役割を持つものはヴィジョナリストであり、同時に“志”を明確にした「志合わせ」を追求する活動が求められると思います。その際に組織であっても、個人であってもクライアントから求められるのは、“コンサルティング”や“ソリューション”能力であることは、業種業態を問わずに<共通化>
して来ました。
この力を持ち、伸ばすには何を行なえば良いか。

ここで7つの “ポイント”を箇条書きで挙げたのは、自分自身これからのアカウントの役割やマーケティング
を捉える際に、『何が最適か?』をまだ考えている途中にいるからです。
これから世の中やマーケティングの課題をもう一度見つめて、デジタル化やグロースハックの様な新しいコミュニティや、コ・クリエーションなどの新しい取り組み方が進む中で、次へ進む上での大切な事を少しでも掴めることが出来ればと思います。

次回のテーマは、デジタルが私たちの生活・環境を様々な場面で変えてきた中で、「クリエイティブは何を変え
たのか?」を社内のクリエイターと一緒にお伝えたいと思います。

ichikawa著者:市川 武也
インサイト、デジタルの活用、お店や商品のブランディングなど課題や機会の多い中で、次世代のマーケティングやプロモーションに取り組む人材の育成と、プランニングのメソッド開発と普及に従事。
2010年-2014年国内、海外の主なリテールとメーカーを中心にしたプロモーション(ウェブ、クリエイティブ含め)をまとめ分析。
企業の提供する価値とテーマの創り方を、リアル店舗とデジタルの領域から見つめています。